ピアノの恋人
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『ピアノの恋人』は喜多尚江による漫画。「花とゆめ」および「花とゆめプラチナ増刊」(ともに白泉社)において1997年から1998年まで連載された。全7話。
音楽とピアノをテーマに、ピアニスト志望の男子高校生と調律師見習いの元天才ピアニストの友情を描く。ちなみにこの作品の第1巻は喜多尚江の20冊目のコミックであり、デビュー10周年の年であった。
[編集] ストーリー
音楽高校1年生の久藤道明はピアニスト志望で腕もいいのだが、極度のあがり症のせいで実力を出せずコンクールはいつも入賞すらできずに終わってしまっていた。そんな時に彼が出会ったのは、幻の天才ピアニスト・河野兼雅。彼は家出中で、調律師を目指しているのだとか。彼に出会ってから道明はあるジンクスで弱点を克服していった。しかしそのジンクスはとても人には言えないようなことで、道明は大きな悩みを抱えることとなってしまう。
[編集] 登場人物
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
- 久藤道明 (くどうみちあき)
音楽高校1年生でピアニスト志望、16歳。あがり症のせいで実力を出し切ることができず、コンクールはいつも落ちていた。そのあがり症を克服するジンクスは兼雅とキスをすることであるため、道明はかなり嫌がっている(そもそもピアノに関係ない時でも勝手にキスをしてくるため)。教育実習生である水沢遼子のことが好きだったが、遼子が兼雅のことを好きだと知ってからはどうなっているかわからない。ピアノの腕は自身では下手だと思っているようだが、兼雅は道明のピアノを気に入っている。何度もキスをしているが、兼雅のことはただの友達としか思っていないようだ。
- 河野兼雅 (こうのかねまさ)
10歳の時国際コンクールで最年少で優勝し、それからも幻のピアニストと騒がれた14歳。「ケンガ」の愛称で親しまれている。女の子と見違えそうな顔をしており、たびたび女装をすることもある(その時は誰にも男だと気付かれていない)。ファーストキスは6歳の時、コミュニケーションとしてウォルターにされた。そのときはびっくりして泣き出してしまったらしい。しかしその後は誰とでもキスをしたがるキス魔となってしまった。しかし道明はキスをされると落ち着いて緊張しなくなるので役立っていないともいえないのだ。ちなみに作品中でキスをした回数は全7話で26回。そのうち道明とのキスが15回である。絶対音感を持ち、記憶力もすごい。それらを利用して亜里の誘拐事件を解決した。ピアノの腕は超一流で、それを聞いたピアニスト志望の青年が自分の実力に絶望して自殺未遂したほど。そのことからウォルターは兼雅のことを「ローレライ」と呼んでいる。ウィーンとフィレンツェと東京とハワイに家がある。
- 水沢遼子 (みずさわりょうこ)
道明の近所に住んでいる女子大生で、道明の学校に教育実習生として行っていた。家には立派なピアノが置いてある。兼雅のファン。
- 真島沙里子 (まじまさりこ)
道明が優勝したコンクールで準優勝した高1の女の子。道明のことが好きだったが、道明と兼雅が恋仲にあると勘違いしたらしく、「二人のこと応援するからね」と言っていた。家にはピアノ練習用の離れがある。
- 新見愛 (にいみめぐみ)
兼雅に片想いしていた少女。兼雅に告白したものの断られてしまった。その後は学校の教師と付き合っている。聖マリア女学園の生徒。
- 新見涼子 (にいみりょうこ)
道明の学校の事務職員で、愛の姉。愛を振った兼雅を恨み、なぜか道明の家のピアノを盗んだ。ピアノはバラバラに分解されて聖マリア女学園の鐘の塔に隠されていた。顔が派手でよく男にモテるのだが、自分はその顔を気に入っておらず、愛が一番かわいいと思っている。
- 斎藤亜里 (さいとうあり)
道明の学校の校長の娘。身代金目当てに誘拐された。ピアノを弾くのが苦手なのに誕生パーティーで演奏させられそうになって演奏時間をなくそうと道明をパーティーに誘ってピアノを弾かせた。
- エドワード・カーソン
世界的に有名なチェロ奏者。花火大会で兼雅を見かけたが兼雅が女物の浴衣を着ていたため本人と確信はできなかった。
- 一条唯音 (いちじょうゆいね)
兼雅の従兄妹で、スイスの学校に通っている。13歳。名前に音が入っているにもかかわらず楽器音痴なことをコンプレックスに思っている。道明と兼雅の仲に嫉妬していた。
- グレンフェル侯ウォルター・チェスターフィールド
チェスターフィールドプロモーションの社長で、兼雅の遠い親戚。兼雅の過去を知る数少ない人物。道明のことをバカにしていた。