ファットバイナリ
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ファットバイナリ (FAT Binary) とはコンピュータソフトウェアのバイナリ形式の一種で、一つのソフトを、互換性のない複数のCPUで実行できるように各CPU用のコードを同時に格納した形式をいう。
[編集] ファットバイナリの用途
ファットバイナリが利用されるのは次のような場合である。
- OSがベースCPUを変更した際に後方互換性を維持するため (MacintoshからPower Macintoshのケース)
- バイナリ互換はあるが異なる最適化を持つ (Power PC G5用の64ビットコードと32ビットコード)
- OSが複数のアーキテクチャをサポートする (NEXTSTEPのx86、SPARC、68kサポートなど)
このような場合、アーキテクチャを気にせずソフトを運用できるので、配布や管理面に優れる。ただし、使用されないアーキテクチャのコードを内蔵するためバイナリのサイズが大きくなる(このことがFATと呼ばれる所以である)。通常そのような領域を削除するユーティリティなどを利用する場合が多い。