フォーンプラグ
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フォーンプラグとは、音響機器において民生用から業務用に至るまで広く利用される端子のひとつである。フォーン端子(ジャック)、ストレートピンプラグ、TRSフォーンとも呼ばれる。用途に応じてミニ、標準などいくつかの種類がある。
接続が容易であり頻繁に抜き挿しする用途に向くが、挿抜時に端子がショートすることがあり電源が入った状態での抜き挿しが想定される場合には機器側での対応が必要である。一般的には2極あるいは3極の接続で用いられ、2極プラグの先端をチップ(Tip)、根元をスリーブ(Sleeve)と呼ぶ。また、3極のスリーブと同径で絶縁された部分をリング(Ring)と呼ぶ。TRSフォーンプラグは三極プラグのことである。 また、映像やコントロール信号も伝送したい場合、4極のケーブルを使う
[編集] 主な用途
マイクロフォン、ヘッドフォン、電子楽器の端子に多用される。パーソナルコンピューターのマイク端子、ヘッドフォン端子にも使用されている。
楽器用途において、両端にフォーンプラグが取り付けられたケーブルは慣用的にシールドと呼ばれている。信号線を編組シールドで覆ったシールドケーブルが使用されることに由来している。
[編集] 構造と接続
モノラル信号において平衡回路と接続する場合とそうでない場合(不平衡接続)、あるいはステレオ信号で使用する場合において下記のように使い分けられている。
不平衡接続 | 平衡接続 | ステレオ接続 | |
---|---|---|---|
チップ | 信号線 | 正相(Hot) | 左チャンネル |
リング | 未接続または接地 | 逆相(Cold) | 右チャンネル |
スリーブ | 接地または負極 | 接地 | 接地 |
また、特殊な利用法としてはミキサーでエフェクターなど外部機器に接続する場合において、チップを送出側(SEND)、リングを帰還側(RETURN)として1つの端子で入出力を兼ねるときもある(インサーションケーブルと称する)。