フライ・フィッシング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フライ・フィッシングとは、フライを使って魚を釣ること。日本における毛針を使った釣りと異なるのは、フライロッドというこの釣法専用の竿とフライラインという特殊なラインを使い、至近距離から中遠距離までのポイントに自在にフライを投げ入れることができる点である。イギリスに起源はあるとされる。
フライ・フィッシングには4つの要素がある。キャスティング、ファイト、タイイング、自然観察である。
- キャスティングはフライフィッシングの中核をなす。ラインの重さによってフライを飛ばすことがこの釣の要諦である。
- ファイトはヒットした魚を釣り上げる技術のことである。他の釣にくらべ、フライフィッシングのこの工程は非常にエキサイティングなものとなる。オモリなどの邪魔者なしに直接的に魚とやり取りが出来るためである。
- タイイングとは毛ばりを作成することである。毛ばりのパターンは数百万とも言われ、研究しつくせぬ分野である。
- 自然観察はこの釣の哲学そのものである。現在の水棲昆虫の状況を確認し、魚が捕食していると思われる対象に近いフライを選ぶことである。
いずれの分野も一朝一夕で身につくものではなく、奥の深い趣味と言えるが、この釣法の独特の技術と趣味性から、一般的には敷居が高いという面もある。
なお、使用するフライに応じてドライフライフィッシングとウェットフライフィッシングに大別することが出来る。
ドライフライフィッシングとは、水面に浮かせたフライを使用した釣り方を指し、ウェットフライフィッシングとはフライを水中に沈めて使う釣り方を指す。 但し、水中にフライを沈める釣り方ではあるが、ニンフと呼ばれるフライを使用する場合は一般にウェットフライフィッシングとは呼称せず、ニンフフィッシングという。
フライフィッシングではサケ科の魚が主なターゲットになる事が多い。そのためサケ科の魚が生息出来る河川や湖沼での釣をする場合が多い。
最近では管理池や海でフライフィッシングを楽しむムーブメントもある。
プロのフライフィッシャーとして、岩井渓一郎という方がTV・雑誌等のメディアでフライフィッシングの紹介をすることが多い。
日本古来の毛針を使う「てんから釣り」がある。水面を打ち返しながら魚を誘う。対象魚は、ヤマメ、イワナなどのマス類。