フラリッシュ
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フラリッシュ(Flourish)は、トランプを用いた曲芸的な技を言う。マジックにおいて演者の技術をアピールしたりするための補助的な手段として使われることが多い。ファン、スプリングなどが最も基本的なフラリッシュである。海外でフラリッシュを使う有名なマジシャンは、ブライアン・チューダー(Brian Tudor)、デボ(De'vo)、ダン&デイブ(Dan&Dave)、フラリッシュマンなどが挙げられる。
広義には使われる道具はトランプだけに限定されない。具体的にはコイン、四つ玉、ライターなどがその対象となる。
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[編集] カード・フラリッシュの技術
1組のトランプのことをデック、それをいくつかに分割したものをパケットと呼ぶ。
[編集] ワンハンドシングルカット
片手だけでデックを二つに分け、上下を入れ替える最も基本的なフラリッシュである。
- シャーリアカット
- 親指でデックを二つに分け、人差し指で押し上げ上下を入れ替える。チャリア・カットともいう。
- レボリューションカット
- 親指で持ち上げた後、人差し指と薬指を用いて横向きに旋回させながら入れ替える技。
- ロールカット
- 縦向きに回転させながら入れ替える技。
- シザーカット
- 人差し指を軸にして親指で時計回りにずらして入れ替える。最初は手がつりそうになる。
- バーティカルターンカット
- 人差し指と薬指でデックの半分を挟み、旋回させるカット。
- スローカット
- 空中に上半分を放り投げながら入れ替える高度技。
[編集] ツーハンドカット
両手を使ってカットするタイプの技。
- ピボットカット
- 右手の人差し指を軸にし、左手で時計回りに旋回させる。シザーカットを両手で行う感じになる。
- スイブレローカット
- デックを3分割するカット。
- バタフライカット
- 複合技。デックを4分割するカット。
- T.C.T.C.S.A
- 複合技。
- ブリッジ
- デックを5分割するカット。最終的には、分割された5つのパケットが直線的に並び、橋のようになる。
- The Hex
- デックを6分割するカット。最終的には、分割された6つのパケットが正六角形の辺を形作ることになる。
- オクトカット
- デックを8分割するカット。まずデックを左手と右手に半分ずつ持ち、続いてそれぞれの手でパケットを4分割する。
[編集] ファン
トランプを扇のようにきれいに広げる技。
- 両手ファン
- 左手に持ったデックを右手の親指を使って扇状に広げる。
- 片手ファン
- 片手でデックを扇状に広げる。
- S字ファン
- デックを両手でS字に広げる。
[編集] その他のカード・フラリッシュ
- リボンスプレッド
- デックをテーブルの上に直線状に(または弧状に)きれいに並べて広げる。マジシャンにとっては初歩のテクニックである。
- リボンスプレッド・ターンオーバー
- 前述のリボンスプレッドによって広げたカードを将棋倒しのようにひっくり返す。クロースアップマットの上で行うとやりやすい。熟練すれば腕の上に広げ、そのまま腕の上でひっくり返すこともできる。
- スプリング
- 右手に持ったデックを湾曲させ、カードの弾性力を用いてカードを次々と弾き飛ばしてそれを左手で受け止めていく。最終的には全てのカードが右手から左手に移る。
- カスケード
- スプリングと同様にカードの弾性力を用いてカードを右手から左手に移すのだが、カードを弾き飛ばすのではなく真下に滝のように落とすようにする。
- ワンハンドディール
- 片手でカードを配る技。
- ホンコン・スロー
- 左手でカードケースを開け中のカードを右手に投げ渡す技。
- フリップバック
- 手のひらに持ったデックを片手で手の甲に移動させる技。
- フリップバック・コンボ
- フリップバックとシャーリア・カットの複合技。
[編集] コイン・フラリッシュの技術
- コイン・ロール
- 人差し指の付け根の背の部分にコインを乗せる。続いてコインを半回転させながら中指の同じ位置に移す。同様にして薬指に移す。そのあとはコインを小指と薬指で挟み、手のひら側を経由させて親指と人差し指で挟む。そしてまた元に位置にコインを戻す。これを何度も繰り返す。右手から左手に移動させたり、逆向きに移動させたりすることもできる。
- コイン・スピン
- コインをテーブルの上などで回転させる。
- コイン・スター
- 5枚のコインを重ねた状態から一瞬で広げる技。最終的にはそれぞれのコインが左右の指の間で保持される。
- フリップ
- コインを片手で持ち親指を使ってはじき上げる。
- ロール・ダウン
- 4枚のコインを片手で広げる技。