ブレス・コントローラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブレス・コントローラ(Breath Controller)は、息の流れをセンサで検出しMIDI信号の一種であるコントロールチェンジを送信するMIDI楽器の周辺機器である。
目次 |
[編集] 概要
主にMIDIキーボードと併用し、指先のタッチだけでは表現できない柔軟な抑揚をつけたいときに用いられる。
管楽器系・擦弦楽器系・コーラス系など持続性のある音色を用いる際にブレス・コントローラを併用すれば、併用しない場合に比べて格段のリアリティを得ることができる。減衰系の音色にブレス・コントローラで味付けすることは一般的に行われないが、アイデア次第で特異な効果を得ることも期待できるためいろいろ試す価値がある。
シーケンサーを用いて曲を制作する際、あらかじめ入力したパートにブレス・コントローラを用いれば、打ち込み特有の平板な印象を効果的に除去することが可能となる。ただしブレス・コントローラから連続的に出力されるデータの量は時に過剰となるため、記憶容量に限りのあるハードシーケンサーやシーケンスソフトを用いる際は適宜データを間引くようにすればよい。
[編集] ウインドシンセサイザーとの相違
息を用いるMIDI機器としてウインドシンセサイザーがあり、しばしばこの二者は混同されるが下記の違いがある。
- ウインドシンセサイザーは管楽器の一種と考えられ、主として管楽器奏者の持ち替え楽器として用いられる。
- ブレス・コントローラはMIDI信号のノート・オンを送信しない。コントロールチェンジだけを送信するため、「サステインペダル」などと同一の分類に属する。
- ウインドシンセサイザーのことをブレス・コントローラと呼ぶ場合があるが、その逆(ブレス・コントローラのことをウインドシンセサイザーと呼ぶこと)は全くない。
[編集] 送信されるコントロールチェンジ
- #2 / #34 (MIDI ブレス・コントロール)
[編集] 代表的な製品
本稿執筆時点(2005年7月)、日本で入手可能なブレス・コントローラはヤマハのBC3である。(下記リンク参照)