ブロモチモールブルー
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ブロモチモールブルー | |
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IUPAC名 | 3,3-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-3ブロモ-2-メチルフェニル)-3H-2,1-ベンゾオキサチオール 1,1-ジオキシド |
別名 | ブロムチモールブルー BTB 3',3''-ジブロモチモールスルホンフタレイン |
分子式 | C27H28Br2O5S |
分子量 | 624.39 g/mol |
CAS登録番号 | [76-59-5] |
形状 | 淡黄色または淡紅色の粉末 |
融点 | 200–202 °C |
ブロモチモールブルー (bromothymol blue) は分析化学において用いられる酸塩基指示薬(pH 指示薬)のひとつで、分子式 C27H28Br2O5S で表される淡黄色または淡紅色の粉末である。ブロムチモールブルーとも称される。しばしば水溶液はBTB溶液と呼ばれる。酸を検出する指示薬として塩の形で市販されている。
分子量は 624.39、pKa は 7.10 である。水に非常に溶けにくい性質を持つ。色の変化は pH < 6.0 で黄色、pH > 7.6 で青色であり、その中間では緑色を示す。ただし、非常に強い酸に対しては赤色を、非常に強い塩基に対しては紫色を示す。
中性付近の弱い酸や塩基の検出に用いられる。プールや養殖槽などでカルボン酸の検出などに使われる。
生物学でスライドを染色する際に使用されることもある。この場合、青色の水溶液としてサンプルに1–2滴加え、細胞壁や核を青色に染める。
指示薬としての性質を示す簡単な実験のひとつとして、中性のブロモチモールブルー溶液にチューブで息を吹き込むというものが知られる。呼気に含まれる二酸化炭素が溶解することによって炭酸が生じ、溶液は酸性になるため緑から黄色へと変化する。