ホンダ・FTR
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FTR(エフティーアール)は本田技研工業が製造販売している自動二輪車。かつて販売された250ccモデルと現行車種の223ccモデルがある。現在FTRという場合は普通は223ccモデルを指す。
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[編集] 歴史
ホンダはFT400・500というフラットトラックレースをイメージした車両を販売していたが、その人気は芳しくなかった。しかし1984年・85年にアメリカのフラットトラックレース(ダートトラックレースともいう)で優勝したことから、その翌年の1986年に撒き返しをはかるモデルとしてFTR250を販売した。 しかし当時はレーサーレプリカの全盛期であったことから、ダートトラックを日本で根付かせることはできず販売は低迷したまま数年で打ち切られた。
しかし1990年代後半からスカチューンに代表されるオフロードバイクのカスタムが流行。ヤマハ・TW200の対抗車種としてFTR250の中古車の引き合いが急増した。こうした事態にホンダが黙っているわけもなく、2000年に装備を簡素化し多彩なカスタムに対応したFTR(223ccの現行モデル)が誕生した。
このFTRの復活によりダートトラックレースの存在が見直され、スーパーモタードと同類のオフロード系レースとして国内でも定着しつつある。
[編集] FTR(223cc)
FTRの現行車種。カテゴリーとしてはいわゆるストリート系バイクに属する。
- XR230と共通の223ccエンジンを流用しており、250と比べてややパワーは低い。
- カスタムベースとしての使い方に念頭が置かれているため、フレーム強度はあくまで一般車の域であり、レースで使うためには補強を施したほうが良い。
- ただし車体は軽いので、操縦性については250と互角に近い。
[編集] FTR250
1986年発売。
- フラットトラックレーサーの名前のとおり、フラットトラックレース用に開発されており、いわゆるオンロードともオフロードとも異なるポジションとデザインをしている。
- 性格上コーナリング特性に優れ、ライダーは「腕が上がった」と誤解するほどであった。
- ショートホイールベース、ハンドルの切れ角が大きいなど、機動性が高く街乗りを主体とするライダーにはメリットの多いオートバイの一つである。
- セル装着、未装着車がある。