ボスフリー
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ボスフリーは自転車の部品で、歯数の異なる数枚のギアを同軸上に重ねたもの。リア・ディレイラでチェーンを架け替え、ギア比を変えるために使う。
ボスフリーは、2枚から8枚のギアが中子(フリーボディー、フリー体とも呼ばれる)にねじ込み、もしくは勘合で固定され、ラチェット機構で一定の方向にのみ力を伝達できるようになっている。歯は交換可能な場合が多く、大小を組み替えることで走るコースや状況に合わせた変速比を選択できるようになっている。
車輪への取り付けは、軸部のハブと呼ばれる部品に中子をねじ込み固定する。ハブへ取り付け部はBSC(BC1.37×24tpi)、イタリアン、フレンチ(34.7mm×1mm)の3つのねじ規格がある。イタリアンとBSCは、ネジ山の角度の違いだけで、ネジ径、ピッチは同じであるため、流用することは不可能ではない。JIS規格はBSCと同じである。
ボスフリーのメンテナンスには、ボスフリーを取り外すための、各社、各製品専用のフリー抜きと呼ばれる専用工具が必要となる。また歯の組み換えには、チェーンウィップや、専用のフリーバイスが必要となる。中子の中にはボールベアリングがあるが、構造上グリス充填ができないものが多いので、粘性の高いオイルをこまめに注入すると良い。サンツアーのWinner Proのようにグリスホールがあり、グリス充填が可能なものの場合、粘性の高いグリスを充填すると、中子のラチェット部の動きが悪くなる場合がある。充填には、PhilwoodやCampagnolo、Finishlineなどの粘性の低いグリスを使う。