ポルシェ 956

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ポルシェ 956は1982年に発効したFIAの新規定のうち、グループCに合わせて造られたプロトタイプレーシングカーである。

[編集] 概要

[編集] 最強マシン

レースにおいては、1982年～1985年にかけてル・マン24時間レースを4連覇するなど、圧倒的な強さを誇った（特に1982年のレースでは1~3位を独占、またロスマンズカラーのボディも話題となった）。当初はポルシェのワークスチームのみで使用されていたが、後にプライベートチームに対して市販されたことから、ヨーロッパや日本、アメリカのプライベーターが多数使用した。

またニュルブルクリンク北コース L=20.830Km(1983～1984年)での絶対コースレコード、6分11秒13は、1983年のニュルブルクリンク1000kmレースのフリー走行中にこの車で記録されたものである。

[編集] エンジン

エンジンは935や936同様に、排気量2.65リットルの水平対向6気筒エンジンに2つのタービンで過給したもので、620馬力以上を発生した。

[編集] 製作台数

ワークススペックが10台、カスタマースペックが18台が製作された。

[編集] 国内レース戦績

83年に藤田エンジニアリングがルマン用ロングテールバージョン（トラストポルシェ956）をフジ耐久1000キロレースにデビューウインさせ、ほぼ全勝の輝かしい戦績を残す。ただ、83年のワークスチームが燃費・パワーの点で有利なボッシュモトロニックシステムを採用していたのに対して、トラストをはじめとするプライベートチームに提供されたモデルはインジェクションシステムが旧型（82年式）であったため、同年秋に開催されたＷＥＣ富士1000キロレースでは、ワークスポルシェ1,2位を独占、トラストポルシェ3位の結果に終わった。ＷＥＣではヨーストをはじめとする海外プライベートチームも参加した中においての3位入賞したことにより、日本プライベートチームのレベルの高さを示すことができたとされ、翌年以降、他の国内プライベートチームにも956が提供されることになった。 84年以降は、国内プライベートチームも大幅に増加したが、いずれのチームもトヨタ（ラリー用の3TGTを改良したエンジンを搭載するトムス、童夢チーム）、日産のワークスチーム（炎を吹くG5改造のスカイラインや、マーチ社・ルマン社製シャーシにLD20ターボを搭載したマシン）を相手に圧倒的な強さを示し続けながら、国内耐久レースを大いに盛り上げた。ポルシェが956とその後962の国内プライベートチーム提供を通した国内耐久シリーズの盛り上がりが、トヨタ、日産ワークスチームのルマン参戦に繋がったことは間違いなく、間接的ながらポルシェ956が国内モータースポーツ発展に功績は非常に大きいものがあった。