マイティフロッグ
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マイティフロッグは、田宮模型(現・タミヤ)が生産していた1/10スケールの電動ラジコンバギー。 当時のキット価格は14,800円。
- リヤのダンパーは完全密閉。ケースはヒートシンクのような加工があり、よく指が切れる。
- 底面の扉を開けてのバッテリー交換が簡単。石の多いコースを走るとバッテリーの外装が痛む。
- 長いモーターをつけるとエンドベルがリヤタイヤのスパイクと干渉する。
- ダートバーナーズ、ユージプロダクト等からオプションパーツが多数リリースされていた。
- グラスホッパーの設計の際、ベースとなった。
- 設計者である滝博士のインタビュー記事や、コロコロコミックで連載されていた漫画「ラジコンボーイ」内のネタが元になり「転倒しても2本のスチールアンテナの反発力で起きあがる」といった事が当時の子供達の間で囁かれたが、実際にはひっくり返ったままになる確率がやや下がる程度であった。
- それまでの金属主体のバギーチャンプ系から一転し、ABS樹脂を多用したモデルであったが、それでもまだ金属部品が多く、重量もあったため足回り等がクラッシュで損傷しやすかった。
- メンテナンスを怠るとリアの六角駆動シャフトがすぐにダメになった。
(再販車では一般的なドッグボーン軸とカップジョイントに変更)
- ドライブシャフトの保護に蛇腹形状のゴムブーツを被せタイラップで止めることにより防塵性を確保していた。(再販モデルにも付属する)
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[編集] メカニズム
- シャシ:ABS樹脂製トラス構造スペースフレームタイプ
- フロントサスペンション:トルクロッド付きダブルウィッシュボーン独立懸架、コイルスプリング+ピストン直動インボード式フリクションダンパー
- リヤサスペンション:フルトレーリング独立懸架、縦置きオイルダンバー(コイルオーバー)
- フロントタイヤ:中空ラバー、直線グルービング
- リアタイヤ:中空ラバー、空気抜き孔あり、パターンはピンスパイク
- 駆動方式:RWD
- モーター:付属マブチ540をミッドシップ、ギアボックス右側に搭載
- デファレンシャルギア:べベルギア
- Uジョイント:六角形状(復刻モデルはドッグボーン軸、カップジョイント)、ダストブーツ付き
- ギアレシオ:7.3:1を標準にギアの交換で3段階に変速可
- 搭載バッテリー(別売り):田宮の6V、7.2V(ラクダ)、他社の7.2Vを横置きで積載
- ボディ:ポリカーボネート、3箇所固定
- アンテナ:ピアノ線(スチール)2本
- 販売価格:14800円(当時)・16800円(復刻モデル)
[編集] 走行性能
ギア比が6.7:1(3種類のギヤ比を選択可)と、かなりのハイギヤセッティングが可能だった為、べらぼうな速度で走行可能なバギーカーであった。レースにおいても他を圧倒する活躍を見せていたという。 しかし、フロントサスペンションがウィッシュボーンとはいえ、小型だった上に摩擦によるダンピングであったことや、リアもトレーリングアームだったとはいえ取り付け部が大型のため作動も悪く、その走りはまるでカエルそのもののようにヒョコヒョコしていた。 フロントタイヤのアッカーマン変化も酷く、ステアリングを切るとイン側タイヤのロッドが引っ張られすぎてかなり舵角が付いてしまい、抵抗となって走行場所によっては急に挙動が変化しがちであった。
[編集] 耐久性能
開発者である滝博士は、「実際に階段から落としてみてテストした」と語るほど、丈夫さには力を入れていたそうであるが、実際にはそうでもなかった。 ジャンプで前のめりに着地したりするとバンパーをマウントする部分が折損したり(FRP製の楕円形板で強化していたが、バンパーを締結する3本のうち真ん中の1本のみであった)、サスペンションアームを保持するマウントがアルミ合金板プレス整形であったため、斜めに落ちてしまうとトルクロッドが付いていたとはいえ荷重に負けて捻挫してしまうことも度々あった。 さらに厄介なことにバンパーや足回りを損傷するとメインフレームにまで被害が及ぶこともあり、一度のクラッシュで修復不可能なほど大破することもあった。 そういった意味では、当時の少年達にはかなり維持の厳しい車両であったことは間違いない。
また、リアの駆動シャフトもナットのような6角形状のため、メンテナンスを忘れたり、被せるゴム製ダストブーツが破損したまま走行を続けてしまい、角が磨り減って空転してしまい走行不能になる車も多かった。 これにより、後のビッグフット車や再販は一般的な形状となった。
加えて前輪を保持するアルミ鋳造のナックルを支持するコの字型ハブも歯付ワッシャーを介しアルミマウントにロックボルトで締結していたため、これがズレて旋回性能に影響が出ることもあった。
続いて、今の所少数ではあるものの、再販モデルのアルミ鋳造ナックルに圧入されている ホイールシャフトが旋回中に突然ホイールごと引っこ抜ける、というトラブルも報告されている。
[編集] 整備性能
トラス構造のフレームであったため開口部が多く砂が溜まりにくかったので簡単なメンテナンスは どちらかというと楽なほうであったが、リアギアボックス周辺はボルト類が多く整備性は少々悪かった。
[編集] 歴史
[編集] 備考
- 2005年12月、小変更が加わり、田宮模型(現・タミヤ)より再販された。当初は同時期に再販されたサンダーショットやトップフォース等と同様に限定生産の予定だったが、反響が良かったためカタログモデルとなった。
[編集] 車名の由来
詳細不明。一考によると、場所によってはカエルのようなヒョコついた走りになるためと思われる。
なお、海外名はThe FROGである。
[編集] 姉妹車
- スバルブラット
- ランチアラリー
- ブラックフット系ビッグタイヤモデル
- ブラックフット
- モンスター・ビートル
- マッドブラスター(ボディはスバルブラット)
- ブッシュデビル
- スーパーブラックフット
- キングブラックフット
上記モデルは全て同型のシャーシ使用しているため、色違いのフレームを利用してドレスアップすることが出来た。 尚、現在発売中のブラックフット エクストリームはワイルドダガーのシャーシを利用したモデルで全く別のものとなっている。