マウント・オーガスタス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マウント・オーガスタスは、オーストラリアの西オーストラリア州カナーボン(Carnarvon)から東に約450kmの地点にある、世界最大の一枚岩である。名前の由来はフランシス・グレゴリー(Francis Gregory) が1858年6月3日に登頂した時、彼の兄弟のオーガスタスにちなんで名付けた事による。
アボリジニのワジャリ族(wadjari)の人々からはバリングラ(Burringurrah)と呼ばれている。
世界最大の一枚岩といわれ、底面積が4795ha。ウルル(エアーズロック)の約2.5倍の大きさを誇る。比高858m、標高は1105m。
マウント・オーガスタスは今から十数億年前、原生代初期に古代の海底に砂や石が堆積して生まれた。これらの堆積物は砂岩や礫岩の地層を造り、地殻の変動で収縮され隆起したのである。この砂岩と礫岩は、35km西南西にあるマウント・フィリップ(Mount Phillip)を含む広い地域を覆っている。マウント・オーガスタスの下にある花崗岩は、16億5千万年前のものと判っており、その歴史の古さを伝えている。ふもとと山頂の往復には約6時間かかるという。周辺はマウント・オーガスタス国立公園(Mount Augustus National Park)に指定されている。気候の変動により多少のズレがあるものの、おおむね7月から10月にかけて咲くワイルドフラワーが見ものである。またその時期のマウント・オーガスタスでは、ムラムラ(Mulla Mulla)の群生がみられる。