モニュメント
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戦勝のモニュメントではもっとも有名なエトワール凱旋門
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モニュメント(もにゅめんと、Monument)とは、記念碑、記念建物、記念館、銅像、慰霊碑、忠魂碑など。
支配者、軍人、聖職者などの生前の功績をたたえて、没後立てられたり、あるいは本人が生前に自ら自分の治世を自画自賛して立てたりすることもある。
エジプトのピラミッドのように、王が農作業の出来ない雨季の公共事業として、生前自らの墓所として建設させたようなものもある。さらに、戦勝記念碑として建てられた凱旋門、終戦記念碑のようなものもある。そして、近代国民国家の戦争の戦没者を記念・追悼するには、無名戦士の碑、戦没者墓苑、戦没者記念碑などのような記念・追悼施設がある。
日本では多磨霊園に個人の銅像があり、東京三大銅像をはじめ、戦前では数百体以上の銅像があったという。現在でも1000体近くの「偉人」の銅像がある。
慰霊碑、忠魂碑、招魂社(護国神社と靖国神社の前者)のようなものは戦没者追悼(=記念)あるいは戦死した軍人を賛美するために作られ、近代国民国家の戦争動員という役割も果した。戦没者の追悼し、子孫を癒し、次の戦争への動員を可能にする手段。日本の戦前の記念・追悼施設は、靖国神社をはじめ、まさにその機能を持った。
都市の中でのこうしたモニュメントの果たす役割が、時代と共に変化し、また中心的なモニュメントが世代交代するなど、美学からの議論はウィーンの美術史家、ハンス・ゼードルマイヤーの『中心の喪失』(1948年、Verlust der Mitte)に詳しい。