リキッド・スネーク
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リキッド・スネーク(Liquid Snake)は、コナミ(現、コナミデジタルエンタテインメント)のアクションゲーム『メタルギアソリッド』シリーズに登場する架空のキャラクター。同シリーズの主人公であるソリッド・スネークの「兄弟」であり、彼とは深い因縁に結ばれたライバル同士でもある。 声は銀河万丈が担当している。英語版の声優はCam Clarkeが担当している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 人物
身長183cm、国籍はイギリス。新制FOXHOUND実戦部隊リーダーである。
1972年恐るべき子供達計画でビッグボスのクローン人間として誕生。3人のスネークの中では優性遺伝子のみを受け継いだが、本人は劣性遺伝子を受け継いだと思っている。これは彼らのオリジナルであるビッグボスをソリッドに倒されてしまい、自分はソリッドよりも劣っていると思ったからだとされている。 尚、現実の医学的には、遺伝子の優性/劣性というのは、個体の能力差を決めるものではない。このことは小島監督も初めから理解しており、短い台詞で簡潔に意図を伝えるためにこのような表現を使ったと思われる。
十代で湾岸戦争に従軍し、SISのスリーパーとして中東に潜伏。その後イラクで捕虜となり、消息を絶つ。捕虜経験も、自分は劣性遺伝子保持者だと言う彼の思い込みを強くさせた可能性がある。
ザンジバーランド騒乱の後にFOXHOUNDに入隊し、その戦闘能力を買われて新制FOXHOUNDの実戦部隊リーダーとなった。
[編集] シャドーモセス事件
アラスカの孤島、シャドーモセス島をFOXHOUNDと次世代特殊部隊を率いて占拠。メタルギアREXを奪取し、米政府にビッグボスの遺体の引渡しを要求した。その本当の目的はOUTERHEAVENの再建であったとされる。
スネークとはハインドDを用いるなどして死闘を繰り広げていたが、その裏でマクドネル・ミラーを暗殺して彼に成りすまし、スネークを操っていた。部下のリボルバー・オセロットがDARPA局長のドナルド・アンダーソンを拷問の最中に殺してしまい、核発射コードを入力できなくなった為である。
今作では凄まじいしぶとさを見せており、ハインドDの墜落に巻き込まれながらも悠々と生還していた。 最終的にはメタルギアREXを起動し、スネークを追い詰めるが、忍者とスネークの連携により破壊された。そのため、スネークと素手での格闘戦をし、メタルギアの機体上部から叩き落された(ビル5~6階分の高さに相当する)。 だが、それでも生き延びており、最後、基地から脱出する場面ではFA-MAS片手にジープでスネークたちに追いつき、必死のカーチェイスを繰り広げた。最期は、後一歩でスネーク達にとどめを刺せる、というところまで行ったが、スネークが持ち込んだウィルスであるFOXDIEの発作が起こり死亡する(しかし後の「2」において、オセロットの肉体を乗っ取ったリキッドの口から「ナオミがFOXDIEの対象プログラムに(スネークのDNAを)入れなかったのも頷ける」という言葉が語られていることと、リキッドとスネークのDNA情報はまったく同じということを合わせて考えると、もしかしたらリキッドの死因はFOXDIEによるものではないのかもしれない)。
[編集] タンカー・プラント編
「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」(2001年発売)
シャドーモセス事件の際に片腕を失ったオセロットが、彼の腕を奪って移植していた。その影響でソリッド・スネークがオセロットに近づくと、リキッドの意識が覚醒する。なお、遺体はもとはある研究機関が保存していたが、オタコンの手によりソリッド・スネークの墓に埋葬されている。
ゲーム終盤で完全にオセロットの体を支配し、メタルギアRAYを奪取。そのままマンハッタンの海へと消えた。
[編集] メタルギアソリッド4
「メタルギアソリッド4 ガンズ オブ ザ パトリオット」(2007年発売予定)
精神面も含めてリボルバー・オセロットを完全に支配し、『リキッド・オセロット』と名乗り、傭兵派遣会社:OUTER HEAVENを設立した(但し、現時点では、オセロット自身の意識が残っているか否かは、不明である。)。
[編集] 遺伝子について
作品中誤解を与えるような表現が多いが、実際の遺伝子における優性・劣性は遺伝における形質の出る強さを表したものであり、個人の能力の優劣には関係しない。この意味でビッグ・ボスの「優性(或いは劣性)遺伝子」を持っているから「戦士として優れている(或いは劣っている)」という理解は適当ではない。リキッドは恐らく、優勢・劣勢の概念を勘違いしていたか、或いは「戦士として優れた遺伝子」を便宜的に「優性遺伝」と呼んでいたのかもしれない。後者であると仮定すれば、「戦士として優れた遺伝子」とは恐らくリキッドやナオミが作中繰り返していた「殺人に愉悦を感じる」属性のことであると思われるので、「劣性」遺伝子を受け継いだソリッド・スネークが恐るべき子供達のなかで最も「殺人に愉悦を感じる」属性が弱かったのは納得できないでもない。ただ、結果としてソリッド・スネークが最も「戦士として優れている(或いは優れた戦果を挙げている)」ことから、この「殺人に愉悦を感じる」属性が「戦士としての資質」という理解は間違いであることがわかり、リキッドは2重の間違いを犯していることになる。
MGSのエピローグで、「優勢」遺伝子を受け継いでいたのはリキッドだった事が明かされた。