ロデオ
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ロデオ(w: Rodeo)とは、北アメリカが起源の家畜、特に牛や馬を使った伝統的なスポーツ。
スペイン語の「取り囲む」という意味の動詞、“rodear”、それを名詞の“rodeo”にしたのが語源。
カウボーイ(w: Cowboy)と呼ばれた牛移送業に携わった労働者や、スペイン語で“vaquero(バケーロ)”と呼ばれた牧童などが、ラウンドアップ(w: round-up : 原野で野生化した牛や放牧地にいる牛を一斉に捕らること)で集めた牛の焼き印押しや出荷などの作業終了後に、自慢の腕を披露する遊びから始まったスポーツ。 当時はアメリカやメキシコを中心としたカウボーイ文化を背景に、度胸試しや腕試しの要素が強かったが、20世紀に入ると厳密なルールが定められはじめ、戦後から現在に至っては列記としたプロスポーツとして組織化されている。 町のお祭りで開かれる大会に出たり、趣味としてロデオに興じるアマチュアも多いが、トッププロはゴルフのツアーや競馬のように、全米各地で開催されるプロ大会を転戦し、その賞金総額で決まるシリーズチャンピオンを目指す。 また、競技用の家畜を提供するオーナーにもかなりのレンタル料が支払われ、競馬同様“最強の牛(馬もある)”をつくり上げることを目指している。
競技種目
競技は主に、荒馬・荒牛に一定時間乗る ラフストック(Rough Stock)と、速さを競う タイムイベント(Timed Events) に分けられる。
Rough Stock
- ブル・ライディング(w: Bull Riding)
- 暴れている牡牛に乗る競技。
- ベアバック・ブロンコ・ライディング(w: Bareback Bronc Riding)
- 鞍をつけていない暴れ馬に乗る競技。
- サドル・ブロンコ・ライディング(w: Saddle Bronc Riding)
- 鞍をつけている暴れ馬に乗る競技。
それぞれ、8秒以上乗り切ると合格とされ、騎乗者の乗り方と、馬(牛)の暴れっぷりが採点される。
Timed Events
- スティアー・レスリング(w: Steer Wrestling)
- 走っている馬の上から逃げる牛に飛びつき頭をひねって牛を地面に倒すまでの時間を競う競技。
- チーム・ローピング(w: Team Roping)
- 2人のカウボーイが馬に乗りながら、子牛の頭と後ろ脚にロープをかけるまでの時間を競う競技。
- タイダウン・ローピング(w: Tie-Down Roping)
- 馬の上から子牛にロープをひっかけ、馬から下りた後に子牛の四肢を縛り上げる時間を競う競技。
- スティアー・ローピング(w: Steer Roping)
- 馬の上から牛にロープをひっかけ、馬から下りた後に子牛の四肢を縛り上げる時間を競う競技。
- バレル・レーシング(w: Barrel Racing)
- 馬でサーキット内に三角状に配置された3つの樽を回る時間を競う競技。 女性専用種目。
その他 Breakaway Roping、Goat Roping、Pole Bendingや、ロデオ・クラウンによるショーなどもある。
世界最大かつ最古のロデオ統括組織、プロ・ロデオ・カウボーイ協会 (Professional Rodeo Cowboys Association: PRCA) は、毎年700のロデオを認可している。最近になって、Bull Riding競技のためのプロ・ブル・ライダーズ(Professional Bull Riders: PBR)が設立され、多くの競技会が開催されている。高校ロデオ、アマチュア・ロデオ、女子ロデオというものもある。モンタナ大学などいくつかの大学にはロデオチームがある。全米大学ロデオ協会 (National Intercollegiate Rodeo Association) は、全米大学ロデオ決勝戦 (College National Rodeo Finals) の運営にたずさわっている。
ロデオの多くはアメリカとカナダで行われる。その中でも有名なのは、Calgary Stampede、ワイオミング州シャイアンのFrontier Days、コロラド州デンバーのNational Western Stock Show、テキサス州ヒューストンのHouston Livestock Show and Rodeo、ネバダ州ラスベガスのNational Finals Rodeo (NFR) である。NFRは毎年12月に Thomas and Mack Center で行われ、年間の獲得賞金上位15名が参加する。NFRを行う10日間の観客数は2003年には歴代最高の17万人以上、テレビでの鑑賞者は900万人に達したと推定される。
2002年のソルトレークシティーオリンピックでロデオが披露され、これがロデオのオリンピックの2回目の登場となった。初登場は、1988年のカルガリーオリンピック。
ネイティブ・アメリカンの間でもロデオが活発で、独自の組織が存在し、Indian rodeoという独自の文化を有する。
動物の権利および動物福祉の組織は、動物を傷つけ苦しめているとしてロデオを非難している。アメリカ政府の食肉検査官を30年間務めた獣医師のDr. C.G. Haberは、ロデオから食肉として廃棄された動物の様子を次のように述べた。
- “傷ついた範囲があまりに広く、皮膚がはがれずに残っているのは頭、首、脚、腹だけだった。肋骨が6 - 8本折れた動物を見たことがある。肺が破裂したものもあった。はがれた皮膚の下に2 - 3ガロンもの血液が溜まっているものも見た。”
Bull Riding、Bareback Bronc Riding、Saddle Bronc Ridingなどの派手なRough Stock競技は誤って非難されることが多いが、一般的に動物にとって安全な競技である。むしろTimed Eventsの方が、動物を傷つけやすい。ロデオ協会は、動物のけがを減らすために数回ルール変更を行ってきた。Calf Ropingにもっと年長で重い子牛を使うようにしたり、Steer Wrestlingにもっと大きい去勢牛を使うようにしたり、多くの競技会でSteer Ropingを廃止したりした。ロデオにおける動物への虐待は調査する必要があるが、家畜とその扱い方への理解が増すことは、虐待が行われていそうな地域についての議論に関心を集める助けになるだろう。
有名なロデオ:
- en:Calgary Stampede and Exhibition カナダ、アルバータ州カルガリー
- en:Houston Livestock Show and Rodeo アメリカ合衆国、テキサス州ヒューストン
- en:Mesquite Championship Rodeo アメリカ合衆国、テキサス州メスキート
外部リンク
- Friends of Rodeo: ロデオ愛好者たちによる、動物虐待の非難への回答を載せたサイト(英語)
- Animal Abuse Inherent in Rodeo: 長年ロデオの競技者であった立場から、ロデオ競技の残酷さを告発するサイト(英語)
- RodeoAbuse.com:オハイオ州でのロデオ競技の動物への残虐行為を主張するサイト(英語)
- Rodeo Cruelty video: 世界最大の動物権利保護団体、People for the Ethical Treatment of Animalsのサイト(英語)
- Position Statement: Rodeo: American Humane Associationによる、ロデオ競技の動物への残虐行為を主張するサイト(英語)
- PRCA Animal Welfare Rules: Professional Rodeo Cowboys Associationの公式サイト(英語)
- これがロデオだ - ロデオの種目と基本ルール -:ロデオ競技の基本ルールや競技の説明を掲載するサイト(日本語)