ローズクォーツ
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ローズクォーツ(rose quartz)は水晶の一種で、ピンク~薄紅色を呈する。紅水晶とも呼ばれる。
ローズクォーツのピンク色は光に敏感で退色しやすい。この色は、不純物として混入している微量のチタン、鉄、マンガンに由来するとされる。近年のX線元素分析では、この色は光学顕微鏡で観察可能なレベルのデュモルチエライトの繊維によるという結果も出ている。しかしながら、デュモルチエライトは単独の結晶としては滅多に産出しないもので、従って呈色はリン酸塩やアルミニウムによると考える意見もある。また、ローズクォーツは内部に微細な金紅石(ルチル)の針状結晶をインクルージョンとして持つ場合があり、スター効果を示すものもある。
ローズクォーツの結晶は最初、アメリカ合衆国ラムフォード近郊の鉱山にて、ペグマタイト鉱床中から発見された。現在市場に出回っているものの多くはブラジルミナスジェライス州産のものである。
ローズクォーツは大抵不透明である為、ファセット・カットされる事は稀である。またピンク色が薄く、大きなヒビ割れが入っている石も多い。従ってローズクォーツはカボション・カットされたり、球形のビーズに加工され、ネックレス等に使われる。市場では「アフロディーテの石」と呼ばれて装飾品などに利用される他、いわゆるパワーストーンの一種としても販売される。