リン酸
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リン酸 | |
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一般情報 | |
IUPAC名 | リン酸 |
別名 | オルトリン酸 |
分子式 | H3PO4 |
分子量 | 98.00 g/mol |
組成式 | |
式量 | g/mol |
形状 | 斜方晶系に属す不安定な結晶、またはシロップ状の無色の液体 |
CAS登録番号 | [7664-38-2] |
SMILES | |
性質 | |
密度と相 | 1.685 g/cm3, (固体) |
相対蒸気密度 | (空気 = 1) |
水への溶解度 | |
への溶解度 | |
への溶解度 | |
融点 | 42.35 ℃ |
沸点 | 213 ℃(分解) |
昇華点 | ℃ |
pKa | 2.12, 7.21, 12.67 |
pKb | |
比旋光度 [α]D | |
比旋光度 [α]D | |
粘度 | |
屈折率 | |
出典 | ICSC |
リン酸(リンさん、燐酸、phosphoric acid)はオキソ酸の一種で、化学式 H3PO4、分子量 98.00。類似化合物(ピロリン酸など)と区別してオルトリン酸ともいう。リン酸化物に水を与えることで生成する。
単体は斜方晶系に属す不安定な結晶、またはシロップ状の無色の液体。融点 42.35 ℃。150 ℃で無水物となり、200 ℃で徐々にピロリン酸に、300 ℃以上ではメタリン酸になる。水・アルコール・エーテルに可溶。
生化学において最も重要な無機オキソ酸といっても過言ではなく、DNA、ATPを構成するため非常に重要。
生化学反応では、低分子化合物の代謝においてリン酸が付加した化合物(リン酸エステルなど)が中間体として用いられることが多い。またタンパク質の機能調節(またそれによるシグナル伝達)においてもリン酸化は重要である。これらのリン酸化は多くの場合ATPを用い、特定のリン酸化酵素によって行われる。
このほか、肥料・洗剤の製造、エチレン製造の触媒、清涼剤(コーラの酸味料など)、歯科用セメント、金属表面処理剤、ゴム乳液の凝結剤、医薬、微生物による廃水浄化など用途は幅広い。
[編集] 工業的製法
リン鉱石に約35%の硫酸を作用することで得られる。