丁銀
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丁銀(ちょうぎん)とは、室町時代後期から明治維新まで流通した銀貨である。
形状は、ナマコ形と呼ばれるやや不揃いな棒状の銀塊で、重量は不定だがおおよそ43匁(約161.25グラム)前後。額面は記載されておらず、重量によって貨幣価値が決まる。
江戸時代以前には、鋳造者である富商や両替商の極印によって流通した。また、当時は切り遣いの慣行が見られた。この時代のものは古丁銀とよばれる。
慶長6年(1601年)には、伏見銀座から慶長丁銀が鋳造され、以後、江戸幕府によって品位の一定した丁銀が発行された。
江戸時代には、主に大阪を中心とした西日本で流通した。
丁銀は額面の記載されていない秤量貨幣で、本来は使用のごとに重量を量る必要があるが、それでは扱いづらいため、包銀の形で用いられた。これは、丁銀と補助貨幣の豆板銀を合わせて一定の(43匁など)重量にし、紙に包んで封印したものである。
慶応4年(1868年)5月に、明治維新政府は銀目廃止の布令を出し、丁銀は流通停止となった。