丁髷
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丁髷(ちょんまげ)とは江戸時代の老人が結う男髷を言う俗称。
明治以降、伝統的な男髷が前近代の産物として嫌われるようになってから、保守的な男髷姿の人を揶揄して「丁髷頭」と呼ぶようになり、現在、この呼称が一般化して男髷全体の名称として用いるようになった。
男性の老化に伴なう脱毛が、前頭部から頭頂部を経て進行するため、若者であっても前頭部の髪を剃り上げる結果、頭皮部が青色を呈していたことから、若者の主張に対して「アタマの青いヤツが」或いは「青二歳が」と揶揄する言葉が産まれた。しかし、この髪型が常識であった時代、男性は自分がハゲる心配が無用である。清国での辮髪と同様、頭髪に恵まれない為政者によって人為的にもたらされたファッションであるとする起源説が唱えられている。
もと、髪の少ない老人が結う小ぶりな髷をその形から「ゝ髷」(ちょんまげ)とからかったのが名前の由来で、現在丁髷と呼ばれるものは時代劇などでよく登場する銀杏髷、本多髷がほとんどで本来の丁髷とは関係が無い。
また、幼児向けの漫画やキャラクター商品で「ちょんまげ」と称しているものは簡略化されて解りづらいが、後頭部から垂直に髷を巻き立て毛先を円形に広げていることから茶筅髷を参考にしていると思われる。