七段目
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七段目(しちだんめ)は落語の演目、芝居噺の一つ。 桂吉朝の十八番であった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
(2代目三遊亭円歌の演出をもとにしました。)
芝居好きの若旦那、今日も「関の扉」を見て家に帰ってきたら父親がカンカンに怒っている。父親の説教も馬の耳に念仏で、役者の声色を使って「忠臣蔵」の判官、「妹背山」の定高や「夏祭」の團七の台詞でやり返す。呆れた父親にこっぴどく怒られ、番頭のとりなしでようやく二階に逃げ込んだが、反省の色もなくさっき見た芝居のことばかり思い出して、関兵衛の台詞を大声で諳んじている。
そこへ丁稚の定吉が、旦那様がうるさいと怒っていますと、これまた「忠臣蔵・落人」の伴内もどきで言いに来る。どうやら定吉もかなりの芝居好きのようだ。そこで若旦那と定吉は二人で「忠臣蔵・七段目」をすることになる。「俺は平右衛門。お前はお軽をやれ。」「へい。」と、早速芝居の真似事が始まるが、平右衛門が由良之助の忠義だてにお軽を殺そうとする場面にさしかかったとき、熱演のあまり定吉は階段から転げ落ちてしまう。
物音に驚いた父親が階段の下でのびている定吉を見て「マア、何てえざまだ。これ、定吉大丈夫か。怪我はないか。」「マア、マア、待ってくださんせ。妾には与市兵衛という父さんと、勘平という夫のある身・・・」「何を馬鹿なこと言ってるんだい。丁稚に夫がいてたまるものですか。また芝居の真似事か。一体階段のどこから落ちた。てっぺんからか。」「なあに、七段目。」