三原昌平
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三原 昌平(みはら しょうへい、1947年 - )は、日本のプロダクトデザイナー。 三原デザイン事務所代表。
大同工業大学 客員教授。
[編集] 略歴
- 1947年 - 福島県田村郡御木沢村(現・三春町)に生まれる
- 1966年 - 東京造形大学インダストリアルデザイン科卒業
- 1973年 - P&Pデザイン研究所 共同設立
- 1985年 - ラジカルデザインスタジオ 設立
- 1992年 - 三原昌平デザイン事務所に改称 現在に至る
[編集] 三原 昌平の活動
- 1976年に銀座「松屋」ギャラリーにて「もう一つのインダストリアルデザイン展」を開催する。この展覧会が、三原氏のその後の活動の原点となる。その後、様々なデザイン展を行い、三原氏のデザインに対する考えを広く世の中にアピールすることとなる。
- 1985年、Apple・Macintosh(512kモデル)使用開始を機に、デザインとコンピューターの可能性をいち早く見出し、翌年、AXISギャラリーにて「Mac the Sketch展」を川崎和男氏と共同主催する。その後、デザインの世界にコンピューターが深く根ざして行ったことは、言うまでもない。
- 2002年、「PDの思想展」企画開催。
- 2003年、ラトルズ社より「PDの思想」(Vol.1)出版。以後、2004年(Vol.2)、2005年(Vol.3)と出版を続けている。
- 2004年、オリベ想創塾教授に就任。
- 2007年、大同工業大学 客員教授に就任。
三原の参加したデザイン展覧会や講演会、執筆の数は、もはや数えきれない。世界的に有名な代表作があるデザイナーというわけではないが、彼のデザインに関する歴史観と鋭い先見性は、他の追従を許さない域にある。日本を代表するプロダクトデザイン学者と言える。 その考え方においては、70年代の産業デザインに対抗し、デザインの原点である根本的な思想性に重きを置き、我が国では初の運動性の高いデザイン活動を積み重ねて来た部分は注目に値しよう。 また、津軽塗や春慶塗などにおける傑出したデザインは従来の伝統工芸(地場産業)のイメージを覆しており、イサム・ノグチのAKARIと並び賞賛されるものとなっている。 また、経営的な観点を含んだ独自の中小企業における理想主義的商品開発デザインは、大企業一点張りのプロダクトデザインの認識を大きく転換させた功績も大きい。現代デザインの歴史を語る上において欠かせない特異な人物である。