下書きのイオータ
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下書きのイオータは古典ギリシア語の用語。アルパ、エータ、オーの長音にイオータがついた「ᾳ,ῃ,ῳ」の表記をいう。古典時代には長いア、エ、オの後にイがついた二重母音「アーイ」「エーイ」、「オーイ」があり、ΑΙ、ΗΙ、ΩIと書かれたが後に「イ」が発音されなくなりΙも表記されなくなった。12世紀のビザンツ帝国の時代に古典時代の表記を反映させるために(ただし発音はしない)符号として字の下に小さくイオータを書くようになった。現代の流儀ではアルファ、エータ、オーに大文字を使う場合には下書きにせずΑι、Ηι、ΩιあるいはΑΙ、ΗΙ、ΩIのように書く。これを「横書きのイオータ」という。また小文字の場合でも横書きにすることもある。