不可分債権
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不可分債権(ふかぶんさいけん)とは、民法上の用語、概念の一つであり、債権の目的がその性質上又は当事者の意思によって不可分である債権で債権者が数人いるものをいう。
各債権者はすべての債権者のために履行を請求し、債務者はすべての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる(428条)。また、不可分債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があった場合においても、他の不可分債権者は債務の全部の履行を請求することができる(429条1項、なお、更改又は免除を行った不可分債権者の債務者に対する利益償還義務につき429条1項但書)。429条1項に規定する場合のほか、不可分債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、他の不可分債権者に対してその効力を生じない(429条2項)。
なお、429条の規定は不可分債務にも準用されている(430条)。
[編集] 分割債権への変更
不可分債権が分割可能な債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができる(431条)。分割債権へ変更されているので自己が権利を有する部分が何かは427条の準則に従って判断される。