中城湾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中城湾(なかぐすくわん)は、沖縄島の南東部、知念半島と与勝半島の間に挟まれた海域。
湾を囲むようにして津堅島、久高島などの島が並び、島伝いに水深の浅いサンゴ礁が発達しているため縁海のようになっている。津堅島と久高島の間にある二ツ口と呼ばれる海底谷が水深約60mで最も深く、湾奥に向かって緩やかに浅くなる比較的平坦な海底地形となっている。
陸上において湾を囲むように崖状の地形が分布しており崖の頂上部に空谷(過去に川によって侵食された跡)があることから、かつて中城湾の位置にドーム状の山が存在していたことが推察されている。このため1950年代から1980年代にかけて、中城湾は大規模な地殻変動によって山が陥没して形成されたとの説が提案・検討された。しかしながら湾岸に沿った断層が発見されていないことなどから、中城湾は島尻層群泥岩と呼ばれる柔らかい地層が急速に侵食されて形成されたとの説も提案されている。
[編集] 関連項目
- 泡瀬干潟-中城湾にある大規模な干潟。
[編集] 参考文献
- 氏家宏 『シリーズ沖縄の自然5 琉球弧の海底 −底質と地質−』 新星図書出版、1986年。
- 海上保安庁水路部 『沿岸の海の基本図(5万分の1)中城湾 海底地形地質調査報告』 1985年。
- 木崎甲子郎 『海に沈んだ古琉球』 沖縄タイムス社、1983年。
- 町田洋他編 『日本の地形7 九州・南西諸島』 財団法人東京大学出版会、2001年、ISBN 4-13-064717-2。