中華鍋
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中華鍋(ちゅうかなべ)とは、中華料理に使われる鉄製の丸底鍋で、大型のものが多い。支那鍋(しななべ)とも呼ぶ。英語では広東語の「鑊」(ウォッ、wok)を借用してwokと呼ぶ。
[編集] 種類
中華鍋は把手により、片手の北京鍋と両手の広東鍋に大別される。北京鍋と広東鍋は単に把手の違いだけではなく、鍋の深さやアール(曲線の径の大きさ)も異なっている。北京鍋はアールが小さく深さが深い。広東鍋はアールが大きく浅めになっている。 そのため広東鍋では、鍋の場所(中央部か周辺部か)により火の通り方が違い、意図的にそれを利用した調理が可能となる。具体的には、中央部で炒めた後、周辺部に置き、じっくりと火を通してから再び中央部に移し、強火で仕上げる様な調理法である。 ただし、一般的には両者とも素材的に熱伝導性がよく底面積が広いため、鍋底の温度むらが少ない。また、鉄は油なじみが良いことから、食材がこびり付きにくい。
伝統的な中華鍋に加え、最近では、鉄よりも軽量な「チタン製の中華鍋」なども市販されている。
また、表面をフッ素樹脂でコーティングしたものもある。
[編集] 用途
炒める、焼くはもちろん、煮る、揚げる、蒸すなども可能であり、幅広い料理法に対応できるため万能鍋とも言われる。
[編集] 派生義
形状が似ていることから、BS・CS放送などの受信に用いられるパラボラアンテナを中華鍋と呼ぶこと(一種のスラング)があるが、中華鍋でも実際に代用は可能。その際は腐食に強いチタン製の物を用いる事が望ましい。