亀も空を飛ぶ
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『亀も空を飛ぶ』(かめもそらをとぶ、Kûsiyan jî dikarin bifirin)はバフマン・ゴバディ監督・脚本による2004年のイラク・イラン・フランス映画。フセイン政権崩壊後にイラクで制作された初めての映画である。アメリカ合衆国による侵攻直前のクルド系の地域の戦争に傷つきながら生きる子供たちを神話的に描き、2005年ベルリン国際映画祭ガラスの熊章やロッテルダム国際映画祭観客賞受賞など国際的に高い評価を受けた。出演しているのは実際の戦災孤児たちだった。日本では2005年に岩波ホールで公開された。
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
舞台はフセイン政権崩壊直前のイラクのクルド人居留地。大人たちが戦争に混乱し、威厳を失っていく一方で、小才の効く少年サテライトは衛星アンテナの設置や地雷除去のまとめ役として戦争に痛めつけられた子供たちのリーダーになっていた。そんな彼の前に幼児を連れた少女アグリンと彼女の兄で腕を失ったヘンゴウがあらわれる。サテライトは彼らと親しくなろうとするが、アグリンの心は落ち着かず、超越的な予知能力を持ったヘンゴウは不吉な予感に苛まされていた。やがてアグリンはイラク兵にレイプされてできた子供を殺してしまい、自分も自殺してしまう。そしてアメリカ軍がイラクへと侵攻し「戦争」は終わる。
[編集] スタッフ
- 監督・脚本: バフマン・ゴバディ
- 制作: ババック・アミニ、ハミッド・ゴバディ、ハミッド・ガヴァミ、バフマン・ゴバディ
- 撮影: シャーリヤル・アサディ
- 音楽: ホセイン・アリザデー
[編集] キャスト
- ソワン・イブラヒム: サテライト
- アワズ・ラティフ: アグリン
- ヒラシュ・ファシル・ラーマン: ヘンゴウ