伊良湖ライナー号
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伊良湖ライナー号(いらごらいなーごう)とは、かつて東京都と愛知県渥美町(現:田原市)を結んでいた高速バスである。
豊橋鉄道では、豊橋駅~伊良湖岬を結ぶ特急便を「伊良湖ライナー号」という愛称で運行していたため、こちらは「高速伊良湖ライナー」「伊良湖東京線」として区別されていた。
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[編集] 概説
1990年春より運行を開始。当初は3社共同運行で、夜行は2台運行・昼行は1台運行となっていた。JRバス関東は乗務員不足のために早期に撤退し、愛知側2社のみの運行となっている。豊川から渥美半島の広い地域をカバーしており、乗車率もまずまずであったが、昼行便は採算割れとなってきたため、2001年に廃止となった。同時に、車両にかかわらず静岡以東はJR東海バスの乗務員、静岡以西は豊橋鉄道の乗務員が担当することになった。
2003年には車両代替の時期を迎えたが、乗客が減少していたため、これまでと同一仕様での車両更新は得策ではないと判断され、4列シート化された。JR東海バスの車両は東名ハイウェイバスと共通運用となった。豊橋鉄道では新車を導入した。この時に運賃も値下げしているが、サービスレベルが落ちたことによりさらに乗客減となってしまい、2006年1月に運行廃止となった。
JRバスとそれ以外の事業者との間で乗務員の乗り継ぎによる完全ワンマン運行を実現したのはこの路線が初めてで、以後運行コスト低減策として他社の高速バスの一部で導入されるようになったことから、この路線の存在が他の高速バスに与えた影響は確かにあったと言えよう。
[編集] 路線概要
[編集] 歴史
- 1990年3月18日 運行開始。
- 1993年2月28日 この日限りでJRバス関東が撤退。
- 2001年1月15日 この日限りで昼行便の運行を廃止、夜行便のみとなる。JR東海バスの担当営業所は新居町から静岡に変更。
- 2003年3月1日 運行車両を4列シート車に変更。同時に運賃を値下げ。東名豊川に停車。
- 2006年1月14日 運行廃止。
[編集] 運行会社
各社ごとに担当号車まで固定されていた。
- JRバス関東(東京支店)
- 運行当初は、下り昼行便・上り夜行便1号車を担当していたが、撤退。
- JR東海バス(新居町営業所・静岡営業所)
- 運行当初は、下り夜行便2号車・上り夜行便2号車を担当。
- JRバス関東の撤退後は上下とも昼行便・夜行便2号車を担当。
- 昼行便廃止後は隔日担当。
- 豊橋鉄道
- 運行当初は、下り夜行便1号車・上り昼行便を担当。
- JRバス関東の撤退後は上下とも夜行便1号車を担当。
- 昼行便廃止後は隔日担当。
[編集] 経路
東京駅八重洲南口~(首都高速道路・東名高速道路)~東名豊川~稲荷公園前~心道教前~豊橋駅前~植田車庫前~田原駅前~保美~伊良湖ガーデンホテル~伊良湖岬
[編集] 使用車両
運行当初は、昼行便・夜行便ともに3列シート29人乗りのスーパーハイデッカーが使用されていたが、2003年以降、4列シートWC付40人乗りのハイデッカーに変更されている。
[編集] 付記
- JR東海バスは2号車を担当することが多かったが、昼行便は1台運行であるにもかかわらず「2号車」と掲出したままであった。
- 昼行便の東京発最終便(2001年1月15日)では、JR東海バス新居町営業所乗務員の手製による謝恩サボが取り付けられていた。
- 2006年8月1日より、共同運行先をケイビーバスに変更して、夜行便の運行が再開されている。愛称は「新宿豊橋エクスプレスほの国号」。豊橋鉄道は伊良湖ライナーで使用していたハイデッカーを使用しており、カラーリングもそのままである。
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