体節
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体節とは、動物の体の構造に見られる体軸方向の繰り返し構造のことである。全身の構造が体節の繰り返しで出来ている場合、これを体節制という。エルンスト・ヘッケルはこれを動物の体の構成の一つの単位と見なした。
また、発生における体節は脊椎動物における中胚葉性の構造の名でもある。背中側で脊索の両側に位置し、後に脊椎骨を含む骨格や骨格筋、真皮などに分化する。
[編集] 動物体に見られる体節
節足動物や環形動物の体が節に分かれ、それぞれの節に付属肢を持っているのはよく知られている。このような節を体節といい、これらの動物では体全体が体節の組み合わせで構成されていることから、そのような体制を体節制という。
しかしながら、体節のような構造はこれらの動物のみに見られるものではない。たとえば脊椎動物においても、脊椎骨は体軸方向にほぼ同じものが繰り返されている。ヒトの体を見ても、たとえば腹筋ははっきりと体節的な見かけを持つ。筋肉に関しては、魚類を見れば、たとえば煮魚の身をほぐすと、よりはっきりと体節的な筋肉の配置を見ることができる。このような構造も体節と呼んでよく、その意味では体節は体節制より広い内容を持つ。