価値観
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価値観(かちかん)とは、人間にとって何が大事か、大事なものの優先順位、重きを置くものが何かについての判断を指す。
民主主義社会では、価値観は多様であり、自分と異なる価値観を尊重しなければならないとされる「鰯の頭も信心から」との格言があるように、一見くだらないと思われる価値観も、その価値観でしか生きられない人間がいる以上、尊重しなければならない。
しかし、理想はそうであっても、現実には価値観の多様性が認められない場合が多い。たとえば資本主義社会においては、財産欲または勤労意欲のない人間は、怠け者であり、生存する値打ちはないものとされることがある。多くの人間が、通常と異なる価値観の持ち主を、説教や経済的圧力、同調圧力や時には物理的暴力を通じて、その社会で常識とされる価値観を持たせようとする。
ある価値観が、社会的秩序を乱すものと考えられると、排除されることになる。例えば、政治や宗教の信条で、人命の値打ちより大事なものがあるとする価値観(たとえば、神の御心のためなら何をしてもいいなど)の処遇は、社会にとって難題となる。