保安器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
保安器(ほあんき)とは、電源線や通信線に、雷などにより異常電圧が印加された時や、サージ電流のような異常電流が流れたときに、それにより発生した電流を接地線に逃がして機器を保護するための装置である。
保安器の中では、電源線または信号線が、接地線との間に適度な静電容量を持つように配置される。この静電容量は、送電したり通信したりする電気信号は接地線に流れず、異常電圧が印加されて発生した電流や、異常電流のみが接地線に流れるような値に設計される。接地線は大地に接続される。
目次 |
[編集] 電源線用保安器
[編集] 交流搬送回路用保安器
[編集] 通信線用保安器
[編集] 電話回線用保安器
固定電話回線の電柱側と加入者側の接続部に位置する機器である。落雷被害の防止や、回線異常の発見などの目的で設置される。一戸建住宅の場合、住宅の外壁に灰色もしくはベージュ色のプラスチック容器に入って取り付けられているものが多い。集合住宅などの場合は、MDF(主配線盤)と呼ばれる端子函にまとめて収納されている場合が多い。近年、保安器に盗聴器を装着される事件が発生している。旧式のタイプが灰色で、新式のタイプがベージュ色である。
ADSLを利用する際には、保安器の種類によってかなり回線品質が違う場合がある。6PTと言われる型の内の初期型で、電話が着信した場合、ADSLの品質低下や切断などの現象がよく発生した。6PTの後期型はこの現象を生じないため、全ての6PT型で起こる問題ではない。