個人攻撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
個人攻撃(こじんこうげき)とは、議論において相手を論駁しようとするとき、相手の発言ではなく、発言者である相手自身を話題にして目的を達しようとする行為である。この行為は「劣った(本項の性質上このようにしか表現できないのであって、誰かを貶める意図はない)発言者の意見は、聞くに値しない」という論理を前提にしている。具体的には、議論とは直接関係のない、相手の国籍や性格、宗教、政治的立場を決め付けそれを己のそれと比較し下に位置付けることで、「自分より劣った発言者の意見は聞くに値しない」と言う結論を導き、論戦を自分の勝利として完結させようとする。 一般に、個人攻撃はマイナスイメージで捉えられがちであるが、それは理論に対し理論の欠点をついて反論せず、論旨とずれたところに相手の欠点を見出しそれを足がかりに反論をするからであり、その行為自体理論的とは言えない。
例えば、「お前は日本人ではない云々」「お前は貧乏人である云々」と言うとき、日本人ではないからといって日本語が堪能でないというイコールは成り立たず、貧乏人であるから学が無い・良いものが解らないという理論は必ずしも成り立たない。加えて、実際に「日本人ではない」「貧乏人である」と言うことの立証が出来ない限り、それは指摘した当人の願望の上に成り立つ理論であり理論的な反論とはなりえず、単なる言いがかりとなる。
そのため、議論において個人攻撃をすることは避けられるべきであるとされる。
[編集] 個人攻撃の例
- 「お前は馬鹿だ」
- 「貴方はナチPOVの推進者です」
- 「貴方はシオニストPOVの推進者です」
- 「貴方は朝鮮の工作員ですか?」
- 「貴方は秘密結社のメンバーだ」
- 「貴方は耳が聞こえないのですか?」
- 「貴方は色盲ですか?」
[編集] 関連項目
ウィキペディアにおける個人攻撃の定義や対処のガイドライン