倒産法
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倒産法(とうさんほう)とは、経済的な破綻状況に至った企業または個人について、その財産の処分や債権者への配当を定める法の総称である。
日本における倒産法には、破産法・民事再生法・会社更生法があり、会社法における特別清算に関する規定も含めて捉えられることが多い。倒産自体は、主に企業が経済的に破綻した場合に使われる事実状態を表す用語であり、法律用語ではない。
アメリカにおいては、日本の破産法に相当するものとして連邦倒産法第7章、同じく民事再生法に相当するものとして連邦倒産法第11章にそれぞれ基づく手続などが定められている。
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[編集] 種類
倒産法は、手続の内容によって再建型と清算型とに区別される。
[編集] 再建型
再建型は、債権者への弁済をはかりつつ、事業を継続し、経済的再建を意図した法律である。継続した事業により、長期にわたっての債務の弁済を企図することも多い。
日本においては、更生手続を定める会社更生法や再生手続を定める民事再生法がこれに該当する。
このうち、一般的に利用されるのは民事再生法であり、債務者自身が再生計画を立てて、それに基づいて再建を進めることを基本とする。担保権は原則として存続し、租税公課について権利内容を変更することはできない。民事再生法は法人・自然人の別,事業者・非事業者の別を問わず適用されるが,負債額が少ない個人事業者や給与所得者を対象とした個人再生という特例手続も規定されいる。
会社更生法は裁判所が選任する更生管財人の管理下で会社の再建を図るが、租税公課についても権利内容の変更が可能であるほか、担保権の実行が制限され、その被担保債権についても更生担保権として権利行使ができるに過ぎないなど、民事再生法に比べて規制を受ける債権者の範囲が幅広く、会社の再建という観点では強力な手続である。
[編集] 清算型
清算型は、財産を清算し、債権者に弁済することを意図した法律である。法人の消滅を前提として、保有する財産の換価と適正な分配を企図するものである。
日本では、破産手続を定める破産法や会社法上の特別清算等がこれに該当する。
このうち、一般的に利用されるのは破産法である。破産手続は、裁判所が選任した破産管財人が破産者の財産(破産財団)を換価し、換価代金を原資として債権者に配当をする手続であるが、個人で財産がない場合には、財産の換価手続は行われない(同時破産手続廃止)。個人について破産手続が行われる場合には、破産手続開始後に債務を免除する手続(免責手続)を取ることができるため、個人の債務の整理の方法として幅広く使われている。
特別清算は、株式会社の清算手続の一種であり、債務超過のおそれがある場合等に取ることができるが、親会社が子会社を整理する場合に体裁を考えて「破産」以外の方法を選択したいというとき等、限定された場面で使われる。
[編集] 日本の倒産法の基本的な考え方と規定の内容
日本におけるすべての倒産法に共通する考え方は、債権者の平等の確保であり、これを害しない限度で、事業の再生、財産の換価、債権者への配当・弁済等を迅速に行うことが要請される。法律が定める手続に入った後は、債権者は、原則として、その手続の中でしか弁済(配当)を受けることができない。
法律によって若干の違いはあるものの、手続の効力を受ける債権の範囲、公租公課の取扱い、担保権の取扱い、債権の届出・調査・確定の手続き、財産の管理処分権者(保全管理人、管財人等。手続によって呼び方は違う。)・監督委員・調査委員等の選任、債務者の行為の否認、役員の責任の追及、財産の換価方法、配当・弁済の時期・方法・順序等が定められている。