優駿 ORACION
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『優駿 ORACION』(ゆうしゅん おらしおん)は、日本の映画。吉川英治文学賞およびJRA賞馬事文化賞受賞作である宮本輝の小説『優駿』が原作。1988年にフジテレビ開局30周年記念作品として制作され、240万人超を動員する興行成績を残した。
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[編集] あらすじ
北海道の小さな牧場で生まれ”オラシオン(祈り)”と名付けられた1頭の競走馬は、周囲の人々から様々な想いを託され日本ダービーに出走する。
[編集] キャスト
- 和具久美子:斉藤由貴
- 和具平八郎の娘。父からオラシオンを譲り受ける。
- 渡海博正:緒形直人
- 渡海千造の息子。
- 田野誠:吉岡秀隆
- 和具平八郎の非嫡出子。久美子の腹違いの弟。
- 田野京子:加賀まり子
- 田野誠の母
- 多田時雄:石橋凌
- 和具平八郎の秘書。オラシオンの名付け親。
- 砂田重兵衛:田中邦衛
- オラシオンの調教師。
- 渡海千造:緒形拳
- トカイファームの牧場主。オラシオンの生産者。
- 和具平八郎:仲代達矢
- オラシオンの馬主。和具工業社長。
- 奈良:根本康広
- オラシオンの主戦騎手。
[編集] スタッフ
[編集] エピソード
日本ダービーのレースシーンは、1987年の同競走を撮影して使用する予定だった。その年の日本ダービーはマティリアルが1番人気で、撮影したスタッフもマティリアルの優勝を信じていたため、撮影用にも同馬に似た仔馬があらかじめ用意されていた。しかし、実際に優勝したのはメリーナイスで、その栗色の馬体と俗に四白流星と言われる白斑のため、再度仔馬を探さなければならなくなった。その仔馬時代を演じた栗毛の馬には流星がなかったため、化粧をしてまでメリーナイスに似せて撮影された。後にその仔馬は、マヤノオラシオンと名付けられてデビューしている。
また、メリーナイスに騎乗していた騎手の根本康広(現・調教師)がオラシオンの騎手として出演している。なお、この映画には根本がメリーナイスに騎乗して落馬失格した有馬記念の映像も使用されており、劇中で根本が田中に対して土下座して謝罪する、というシーンもあった。