元素の系統名
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IUPACは新しい元素に対して、系統的な命名規則で名称をつける。この系統名は、恒久的な命名規則が決まるまでの間、一時的に用いられる。原子番号が104番より上の元素では、正式な名称の決定は政治的な過程であり、時間がかかる傾向にある。
目次 |
[編集] 命名規則
元素番号の各位を、以下の表にしたがって綴る。
数字 | 名称 | 日本語読み |
---|---|---|
0 | nil | ニル |
1 | un | ウン |
2 | bi | ビ |
3 | tri | トリ |
4 | quad | クアド |
5 | pent | ペント |
6 | hex | ヘキス |
7 | sept | セプト |
8 | oct | オクト |
9 | enn | エン |
そして最後に「ium」をつける。日本語名は、できた名称を日本語読みする。
また、元素記号はそれぞれの頭文字を一字ずつとり、元素記号とする。
但し、以下の例外がある。
- iが重なる場合には、"ium"ではなく"um"をつける
(例: Un + unbi + ium = Ununbium) - nが3つ重なる場合には、2つにする
(例: Un + enn + nilium = Unennilium)
[編集] 例
- Element 119 1(un) + 1(un) + 9(enn) + ium = Ununennium (Uue)
- Element 123 1(un) + 2(bi) + 3(tri) + ium = Unbitrium (Ubt)
- Element 208 2(bi) + 0(nil) + 8(oct) + ium = Biniloctium (Bno)
- Element 457 4(quad) + 5(pent) + 7(sept) + ium = Quadpentseptium (Qps)
- Element 986 9(enn) + 8(oct) + 6(hex) + ium = Ennocthexium (Eoh)
[編集] 面白い事実
たった一つだけ、化学記号とIUPACの系統的な元素記号が一致する元素がある。それは、8を意味するOctium(オクチウム)で、Oxygen(酸素)と元素記号 O が一致する。