判事補
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判事補(はんじほ)とは、裁判官の役職の一種であって、裁判官に任官して10年未満の者(ただし、弁護士及び検事の経験は通算される)をいう。
判事補は、司法修習生の修習を終えた者の中から任命される(裁判所法3条)。
裁判所法により、判事補は一人で裁判を開くことが出来ないとされているため(裁判所法27条1項)、判事補が関与する事件は、原則として合議事件(裁判官が3人関与する合議体で裁判が行われる事件)のみである。ただし、裁判官に任官して5年以上の者のうち、最高裁判所の指名する者は、特例判事補として、例外的に単独事件について裁判をすることができ(判事補の職権の特例等に関する法律1条)、5年が経過した裁判官については、ほぼ例外なく特例が付されているのが実情である。
また、判決以外の裁判は判事補が単独でも行うことができる(民事訴訟法123条、刑事訴訟法45条)ため、判事補は民事保全手続、捜査段階での令状事件、少年事件等には単独で関与している。
実際のところ、新任判事補は合議体の一員として、裁判長や先輩裁判官と合議をする中で事件処理の手法を学ぶ一方、破産事件、民事執行事件、民事保全事件、少年事件等の判事補が単独で出来る事件を処理するケースがほとんどである。