副作用
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- コンピュータープログラミングで参照透過性を崩す動作のこと。副作用 (プログラム)を参照。
- 医学における副作用。以下で説明する
副作用(ふくさよう)とは、医薬品を使用したときに起こる、治療目的の作用(薬効)以外のものをいう。一般的に、(毒性や標的非選択性などが)医薬品自体の特性である場合と、身体の持つ恒常性の調節システムに偏りが生じた結果、間接的に症状がでる場合とが存在する。あるいは医薬品が生体で代謝され失活された化合物が副作用を持つ場合、あるいは医薬品に含まれた不純物に由来する場合もある。 生体と物質との相互作用は複雑且つ多岐に渡り、またその全てが解明されているわけでもないので、投与した外来物質の作用を全て予測することは困難である。その意味で「副作用のない薬剤はない」と言われる。
副作用の定義上は使用結果の如何による区別を意味には持たないものの、一般には特に断らずに「副作用」の語を使用する際は、有害な事象についてのみ言及される。しかしながら、原義としては降圧薬であるACE阻害薬に例にすると、有用な作用である「誤嚥を減少させる作用」も「生体内キニン系を亢進し空咳を発生させる作用」もどちらも副作用である。
なお、ウイルスや細菌そのものまたは構成成分から作られるワクチンによる、目的以外の作用については、副反応と呼んで副作用とは区別されている。
[編集] 副作用の利用
本来「副作用」とされていたものを「効能」と謳って商品化した薬剤としては、エスエス製薬から発売された睡眠改善薬「ドリエル」が挙げられる。鎮痒剤やアレルギー性鼻炎の治療薬(興和新薬の「レスタミン」、塩酸ジフェンヒドラミン)や乗り物酔いの予防薬(エーザイ製薬の「トラベルミン」、サリチル酸ジフェンヒドラミン)として用いられるジフェンヒドラミンの副作用として眠気が知られており、これらの薬剤には「服用後は車の運転など危険を伴う作業を行わないこと」との注意書きがされている。この本来は副作用であった眠気を、寝つきが悪いなどの症状を改善するために用いたのがドリエルである。