北山川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
北山川(きたやまがわ)は、奈良県南部を流れる熊野川水系の支流。一級河川。大台ヶ原から奈良県・三重県内を抜け、熊野川と熊野川町(現新宮市内)で合流、新宮市内で熊野灘に注ぐ。
[編集] 地理
日本有数の多雨地帯である大台ヶ原を源流域とし、上流部は吉野熊野国立公園の一部となっている。豪雨と急流により削られた深い渓谷が続く渓谷は瀞峡と呼ばれ、下流部の瀞八丁は国の特別名勝および天然記念物である。この渓谷は、隆起準平原である大台ヶ原周辺から流れを発した川が、多雨と水成岩の脆弱な地質によって、台地を侵食し形成されたもので、急峻な屏風状の断崖をなしている。険しい地形のため、河畔の人口は乏しく、原生の常緑広葉樹林が残る箇所も残されている。
上流部では林業がかつては盛んであったが、急峻な地形に阻まれて、伐採された木々を陸路で搬出することは不可能であった。そのため、案出されたのが、伐採された木材で筏を組んで下流まで流していく筏流しである。筏流しによって下流に流された木材は、本流の筏流しと合流し、河口の新宮市において集積・出荷された。
上流のダム建設に伴う水量の減少と林業それ自体の斜陽のため、1964(昭和39)年3月、筏流しはひとたびは途絶したが、15年後の、1979(昭和54)年、観光用に復活され、北山村の観光名物となっている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 北山川電力所(池原発電所) - 電源開発株式会社公式サイト内。北山川上流の発電所。
カテゴリ: 日本の地理関連のスタブ項目 | 奈良県の河川 | 和歌山県の河川 | 三重県の河川