含侵彩色法構
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含侵彩色法構(がんしんさいしょくほうこう)とは水彩や水墨画のように媒剤が気化し、顔料や染料だけが支持体の上に残る絵画の構造のこと。
[編集] 性質
媒剤が水などで構成され、支持体の上に塗り付けると媒剤が気化し、顔料や染料だけが支持体に残る。また支持体が紙であったりする場合、水の浸透力で顔料や染料が紙の繊維の奥まで入り込み、紙自体を染める場合もある。その上に乗せられた顔料の粒は下に位置する顔料や染料と接着し、絵の上から見てその色の下の色は基本的に見えることは無い。媒剤が支持体に残らず、粒状の顔料だけが残るのでマット質となる。ただし少量の顔料でも水などの媒剤を大量に混ぜれば使えるため、まだらに顔料を重ねることによって下の色を透かすことは可能。
支持体の上に顔料がただ乗っている状態のため、保存は難しい。支持体の上に乗った顔料に媒剤を与えると自由に動き回るため、水などの液体物にきわめて弱いが、独特の滲みなどの表現も可能。水墨画はこの性質を上手く使っている表現といえる。