塁審
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[編集] 概要
塁審は複数審判制で審判を行う場合に配置される。日本のプロ野球でもっとも一般的である4人審判制では、塁審は通常、一塁・二塁・三塁の各塁付近に位置する。3人審判制・2人審判制では、塁審の数がそれぞれ2人・1人となり、球審とともに、走者や打球の状況によってそれぞれフォーメーションを対応させながら判定を行う。6人審判制では塁審に加えて外野にも審判員(外審)が配置されるが、そうでない場合は、外野に飛んだ打球についても判定の責任を持つ。
アメリカではメジャーリーグのみ4人制でオールスターとプレーオフ、ワールドシリーズでは6人制、マイナーリーグ3Aは3人制(まれに4人制有)、2A・1A及びアマチュアは2人制となっている。
日本ではプロ・アマとも4人制が基本であるが、プロのオールスターとプレーオフ、日本シリーズ、アマのナイトゲームでは6人制、プロ2軍は3人制(まれに4人制有)、アマの末端では3人制や2人制を敷いている所もある。
[編集] 塁審の役割
塁審の役割の主なものは、以下のとおりである。
- 特に球審が行う場合を除いて、塁における全ての判定を行う。よって、本塁で判定することもある。
- タイム、ボーク、インフィールドフライ、反則投球などによるボールの汚損の宣告について、球審と同等の権限を持つ。
- (特に、外審がいない場合)一塁または三塁より後方に飛んだ打球についてのフェアまたはファウルの判定、飛球を正規に捕球しているか否かの判定を行う。
- その他、ルールの適切な適用を行う上で、球審と同等の権限を持つが、没収試合の宣告はできない。
また、一塁または三塁に位置する塁審にあっては、ハーフスイングのときに球審から要求があった場合の、スイングの判定も重要な役割となる。
[編集] 塁審のフォーメーション
一塁や三塁に塁審が立つ場合は、原則としてファウルラインをまたがず、ファウルライン際のファウルグラウンドに立つ。これは万が一打球が塁審に当たった場合に、迷わずファウルボールと判定できるためである。塁審が内野内に位置する場合は、選手のプレイの妨げにならないよう注意しながら、低い姿勢で身構える。ひざをついた体勢で構えると、打球が飛んできた場合など、とっさの時に身動きが取れなくなってしまうので、ひざをつかない体勢で構える。
[編集] 2人審判制
本塁上に球審を配置する他、塁審を1名配置する。塁審は、無走者の場合は一塁におけるプレイを判定する。走者がある場合には投手の後方に立ち、球審とともに各塁の判定を行い、打球、送球の状況に応じてフォーメーションを対応させる。
[編集] 3人審判制
本塁上に球審を、一塁と三塁に塁審を配置する。フォーメーションは原則として以下の通りであるが、走者や、打球、送球の状況に応じて対応させる。
- 無走者の場合
- 一塁塁審は一塁の後方、三塁塁審は三塁の後方に立つ。
- 走者一塁の場合
- 一塁塁審は一塁から3m程度後方に、三塁塁審は二塁から約5m離れた内野内(投手の後方)に立つ。
- 走者三塁の場合
- 一塁塁審は一塁の後方、三塁塁審は三塁後方に立つ。
- 上記以外の場合(走者二塁、一・二塁、一・三塁、二・三塁、満塁)
- 一塁塁審は二塁から約5m離れた内野内(投手の後方)に立ち、一塁及び二塁の判定を受け持つ。三塁塁審は三塁から3m程度後方に立つ。
[編集] 4人(6人)審判制
本塁上に球審、一塁、二塁、三塁の各塁に塁審を配置する。塁審は、走者の位置、打球、送球の状況に応じてフォーメーションを対応させる。6人審判制の場合は塁審に加えて左翼・右翼のファウルライン際に外審を配置する。
二塁塁審は、一塁・二塁に走者がいない場合は一・二塁の延長線上(外野)に、一塁・二塁に走者がいる場合は二塁から約5m離れた内野内(投手の後方)に立つ。
[編集] 関連項目
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