変数 (プログラミング)
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プログラミングにおいて、変数(へんすう、variable)とは、プログラムのソースコードにおいて、扱われるデータを一定期間記憶し必要なときに利用できるようにするために、データに固有の名前を与えたものである。 一人一人の人間が異なる名前によって区別されるように、一つ一つの変数も名前によって区別される。これにより、複数のデータを容易に識別することができる。変数を区別するための名前を特に識別子という。また一般に、変数が表しているデータをその変数の値(あたい)という。
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[編集] 変数の宣言と代入と参照
プログラムにおいて変数を扱うための主要な操作は、宣言・代入・参照の三つである。 プログラミング言語によって変数の扱い方は多少異なるので、ここでは一般的な事柄を述べる。(言語によって用語の意味も異なることがあるので注意されたい)
[編集] 宣言
プログラムの中でどのような名前の変数を用いるのかを(もちろんプログラミング言語の文法にのっとって)明確に示すことを変数の宣言(せんげん)という。
いくつかのプログラミング言語では、変数を宣言する際にその名前だけでなくそのデータ型も指定する必要がある。これにより、各変数が扱うことのできるデータの種類を制限できる。一般に、データに対して行える処理はデータ型によって異なるので、データ型を厳密にチェックすることで、誤ったプログラムを書いてしまうことを防止するのに役立つ。
[編集] 代入
宣言した変数に対して実際にデータを関連付けることを代入(だいにゅう)という。
プログラミング言語によっては、変数の宣言と代入を一度にまとめて行うことができる。 変数を宣言せずにいきなり代入できる言語もあるが、これは実質的には宣言と代入を一度に行っているのと同じである。
ある変数に対して初めて行う代入は、特に初期化(しょきか)という。 一般に、変数は複数回代入をすることができる。すでに代入を行った変数に改めて代入をすると、その変数とそれまでのデータとの関連はなくなり、新しいデータと改めて関連付けされる。
[編集] 参照
その変数に代入したデータを利用することを、変数の参照(さんしょう)という。
一度も代入を行っていない、つまり初期化していない変数を参照することは意味を成さず、不正である。 しかし一部のプログラミング言語では、変数を宣言した段階で、自動的に何らかのデータが変数に関連付けられる。このような言語では、初期化を明示的にプログラムしないまま変数を参照できる。