大日本帝国憲法第73条
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大日本帝国憲法第73条は、大日本帝国憲法第7章にある。大日本帝国憲法の改正手続につき規定したもの。
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[編集] 条文
- 将来此ノ憲法ノ条項ヲ改正スルノ必要アルトキハ勅命ヲ以テ議案ヲ帝国議会ノ議ニ付スヘシ
- 此ノ場合ニ於テ両議院ハ各々其ノ総員三分ノ二以上出席スルニ非サレハ議事ヲ開クコトヲ得ス出席議員三分ノ二以上ノ多数ヲ得ルニ非サレハ改正ノ議決ヲ為スコトヲ得ス
[編集] 現代風の表記
- 将来、この憲法の条項を改正する必要があるときは、勅命をもって、議案を帝国議会の議に付すものとする。
- この場合において、両議院はそれぞれ、その総員の三分の二以上が出席がなければ、議事を開くことができない。出席議員の三分の二以上の多数を得なければ、改正の議決をなすことができない。
[編集] 改正の際の議論
日本国憲法の制定は、大日本帝国憲法を「改正する」形式で行われたため、この条文によって行われた。
しかし、この条文によれば、改憲は「天皇が発議する」形式となっているにもかかわらず、日本国憲法には、「国民自らが憲法を制定した」趣旨の記述があるため、ここに齟齬が生じているとして当時議論された。しかし、改憲が急がれたことから、結局、大日本帝国憲法73条の規定によって改正された。