妖狐
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日本各地に残る昔話においては狸などと並んで、人間や他の動物に変身するなどして人を化かす。まれに助けてくれた人間に恩返しをしたりもする。
封神演義などで有名な妲己に化けた千年狐狸精も、この類とされる。また、管狐は霊獣であるため、妖狐ではない。
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[編集] 野狐と善狐
妖狐には、大きく野狐(やこ)という、人に危害を加える悪い妖狐と、善狐(ぜんこ)という人に危害を与えず、幸運をもたらす良い妖狐の二つの種類がある。
玉藻前に化けた白面金毛九尾の狐は、野狐の中でも人に危害を与えるランクの高い妖狐として知られ、悪狐(あっこ)とも呼ばれる。それ故、九尾の狐を、悪狐と言う場合もある。
[編集] 様々な種類の妖狐
- 黒狐(くろこ、こくこ)
- 黒い毛色を持ち、白狐と対照的な妖狐とされる。北斗七星の化身と呼ばれている。
- 銀狐(ぎんこ)
- 銀の毛色を持ち、金狐の1ランク下の妖狐。月をシンボルとしている。金狐とは同様異質の存在である。
- 金狐(きんこ)
- 金の毛色を持ち、白狐の1ランク下の妖狐。日をシンボルとしている。銀狐とは同様異質の存在である。
- 白狐(びゃっこ、はくこ)
- 白い毛色を持ち、人々に幸福をもたらすとされる、善狐の代表格の妖狐。稲荷神社に祀られている狐も、ほとんどが白狐である。安部清明の母親とされている妖狐も白狐である。
- 九尾の狐(九尾の狐)
- 尻尾が9つ生えた妖狐。代表的な九尾の狐として、白面金毛九尾の狐が存在する。九尾の妖狐や九尾狐、単純に九尾と呼ぶこともある。
- 天狐(てんこ)
- 1000歳を超え強力な神通力を持ち神格化した九尾の狐より上のランクの妖狐。尾は4つである。千里眼を持ちさまざまな出来事を見透かす力がある。瞳は金。これ以降の存在である空狐は神となっているため、妖狐の中では最上位となる。
- 空狐(くうこ)
- 3000歳を超え神通力を自在に操れる大伸狐、天狐からさらに2000年生きた善狐が成るとされている。尾はなく、人の姿をしていて、耳は狐の耳だと言う。妖狐が神となったもので、厳密に言えば妖狐ではない。文献では天狐が狐の最上位とされることもあるが、これは稲荷における最上位のことであり、空狐は引退したとされている。そのため、妖狐としては天狐は最上位だが、空狐は神となっているため、広い意味でみれば空狐が最上位となる。
[編集] 妖狐のランク付け
空狐-天狐-九尾の狐-白狐-金狐-銀狐-黒狐
- 仙狐(せんこ)
- 妖狐のなかで最高位の妖狐の総称。空狐、天狐がこれである。
- 善狐(ぜんこ)
- 読んで字のごとくよい行いをする妖狐の総称。金狐、銀狐、白狐、黒狐がこれである。
- 野狐(やこ)
- 善狐とは対照的に悪いことをする妖狐の総称。地狐(中狐、宙狐と呼ばれることもある。)
[編集] 妖狐と九尾の狐と進化
妖狐は初め、尻尾が1本しかないが、長い年月を掛けて妖力を増やし、それにより尾が裂けて一本一本ずつ増え、最終的には9つの尻尾を持つ、九尾の狐となる。故に、九尾の狐とは、妖狐の最終形態とも受け捉えることができる。つまり、尾が多い妖狐ほど、強い妖狐だと言える。が、妖狐は九尾になると目立った成長の兆しを見ることは出来ない。そして、さらに妖力をもった妖狐は、尻尾が減っていく。これは、神に近づくことで狐の姿を保つ必要がなくなったためだと考えられている。天狐の尾が4、空狐の尾が0と言うのがよい例だろう。