実解析
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実解析(じつかいせき、Real analysis)とは数学の分野のひとつであり、実数と実数の関数を扱うものである。集合や写像といった現代的な数学の概念を基礎に、微分積分学を厳密に記述したものである。基本的には、ルベーグ積分論を指すことが多く、大学で実解析と名のつく講義はルベーグ積分とその応用についてのものであると考えてよい。実解析と名のつく本もいくつかあるが、それらの本はルベーグ積分とその周辺にとどまらず、関数解析の基礎やその応用についても書かれていることが多い(例えばフーリエ解析や超関数等)。
実解析の基本的な部分(言うなればルベーグ積分論)はすでに完成された学問であり、多くの優れた教科書が出版されている。以下の内容は多くの教科書がしたがっていると思われる順序で実解析の概念を紹介する。
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[編集] 実解析の流れ
(サブセクションで列挙するのはいまいちかも)
[編集] 実数の定義
実解析の研究対象である実数とは何かということを学ぶ。詳細は実数の記事にある。
[編集] 数列の収束
数列の収束をイプシロン-デルタ論法により厳密に定義する。 の完備性やハイネ-ボレルの定理によるコンパクト集合の特徴づけを学ぶ。
数列があるに収束するとは、
となることである。このとき
とも書く。このを数列の極限と呼ぶ。 また、数列が収束列かどうかを判定するためにコーシーの判定法がある。それは
となることである。を満たす数列をコーシー列と呼ぶ。数列が極限を持てばコーシー列であり、逆にコーシー列であれば実数上に極限を持つ。
コーシー列の概念は実数や複素数のみに留まらず、絶対値の部分を然るべき形に修正することによって、一般の完備な距離空間や完備なノルム空間(バナッハ空間)にも応用できる。しかし、完備な距離空間や完備なノルム空間(バナッハ空間)でない場合は、極限を持てばコーシー列であるが、コーシー列であれば極限を持つかどうかは一般には分からない。
[編集] 集積点
点が集合の集積点であるとは、のどんな近くにも集合の或る点が無数に存在することである。集合の集積点が全てに含まれるのならば、を閉集合と呼ぶ。
[編集] 参考文献
Real analysis 3 Oct 2005 を一部翻訳
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