山川出版社
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山川出版社(やまかわしゅっぱんしゃ)は歴史書、高校教科書(地歴公民科)・受験参考書を刊行する日本の出版社である。
日本史・世界史の教科書は有名で、受験生には必読書として重宝されている。用語集やワークノート、受験生向けの小事典など参考書・副読本も多数刊行している。とりわけ用語集は、入試問題出題システムの関係から、大学の出題担当者や予備校講師などに対しても大きな影響力を持っており、これが教科書の圧倒的シェアを支える一因となっている。教科書の内容に対しては、「無味乾燥で歴史に対する興味を削ぐ」「暗記中心の歴史を助長する」など、専門の歴史研究者からの評判は概ね悪いが、対照的に「受験に最適」と教師や受験生からは絶大な支持を受けている。
歴史書の分野でも老舗で、「日本史広辞典」「○○県の歴史散歩」シリーズなど、専門書から一般書まで幅広く手がけている。地域的にも日東西を問わず刊行し、1889年(明治22年)創刊の雑誌『史學雜誌』(史学会編)も刊行するなど、「歴史の山川」の異名を取るほどである。本社は東京都千代田区内神田1丁目。
教科書を含めたほとんどの出版物のブックデザインを、菊地信義が担当している。
[編集] 批判を受けた教科書記述
2007年度検定において、世界史Bの教科書において、倭寇の行為を「朝鮮半島や中国の沿岸を侵略」と書き、国の行為である「侵略」の文字を海賊に適用したとして、「新しい歴史教科書」の販売に躍起な扶桑社を子会社に持つ産経新聞から批判を受けた。倭寇には朝鮮人や中国人も多数含まれていたことも隠蔽している。