岡本佳男
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岡本 佳男(おかもと よしお、昭和16年(1941年)1月10日 – )は高分子化学者。 名古屋大学名誉教授,エコトピア研究機構客員教授。
[編集] 略歴
- 1964年 大阪大学理学部を卒業。
- 1969年 大阪博士号取得,同年基礎工学部助手。
- 1990年 名古屋大学工学部教授。
- 2004年 同大学定年退官,同大学エコトピア研究機構客員教授。
- 2004年-2006年 高分子学会会長。
[編集] 受賞歴
- 1982年 高分子学会賞。
- 1987年 繊維学会賞(技術)。
- 1991年 日本化学会技術賞。
- 1996年 芸術のための科学賞(ダ・ヴィンチ賞)。
- 1999年 日本化学会賞。
- 1999年 Molecular Chirality Award。
- 2001年 Chirality Medal。
- 2002年 紫綬褒章(春)。
- 2005年 藤原賞。
[編集] 業績
人工ラセン高分子の世界的権威。高分子の立体化学研究において金字塔というべき優れた研究を行っており、現在も客員教授として継続中。岡本教授の学術的・社会的インパクトは傑出しており、日本が世界に誇る科学者の1人である。
岡本教授は世界ではじめて人工ラセン高分子の合成に成功した。その最初の例は、かさ高いエステル基の側鎖を持つメタクリル酸エステル類(TrMA, PDSMA等)を重合させて、完全に一方向(TrMAでは、右巻き)の安定ならせん構造を持つ高分子を合成した。開始剤として、ブチルリチウムと光学活性ジアミン(スパルテイン)との錯体を用いている。またラジカル重合における立体規則性の発現についても独創的な研究を行っている。
医薬品の開発・製造に不可欠なツールである光学分割カラムを開発した。
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