岳南鉄道ED40形電気機関車 (2代)
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ED40形は、岳南鉄道が所有する直流用電気機関車である。ED402およびED403の2両が在籍しており、岳南鉄道の主力として使用されている。
ED40形という形式は、岳南鉄道では2代目である。初代は1949年(昭和24年)に駿豆鉄道から2両を譲受したもので、旧日本国有鉄道(国鉄)のアプト式電気機関車ED40形であったが、1972年(昭和47年)に廃車となった。
[編集] 概要
本形式は、松本電気鉄道が東京電力梓川水系開発工事の資材輸送のため1965年(昭和40年)10月に日本車両で新造したものである。形式の「40」は自重に由来するが、1号機が無いのは同鉄道にED301がいたためである。
ダム建設の完了と同時に失業し、岳南鉄道が1971年(昭和46年)に譲り受け1972年1月26日にそのままの番号で竣功した。当時の松本電気鉄道は直流750V電化であったが、製造当初からダム完成に伴う貨物輸送急減後の放出を見越し複電圧回路を付けて製造していため、入線に際しての改造はほとんど行なわれず、ほぼそのままの状態で使用されている。
重連総括制御装置を装備しているが、岳南鉄道では重連運転は行なわれず、もっぱら単機で使用されている。
外見はデッキ付きの箱形車体で、前面に乗務員室扉を設けた貫通式で、ステンレスの飾り帯を巻き、これと同レベルの運転台窓下に形式番号を表示している。運転席窓は平面ガラスを組み合わせたパノラミックウィンドウで、大きな明り取り窓を片側3個、その間に通風窓を設けている。
[編集] 主要諸元
- 全長:11,750mm
- 全幅:2,750mm
- 全高:4,200mm
- 運転整備重量:40.0t
- 電気方式:直流1500V/750V(架空電車線方式)
- 軸配置:B-B
- 台車形式:NL12
- 主電動機:NE-128形(128kW)×4基
- 歯車比:16:73=1:4.56
- 1時間定格出力:512kW
- 1時間定格引張力:5900kg
- 1時間定格速度:31km/h
- 動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
- 制御方式:重連総括制御、抵抗制御、2段組み合わせ制御
- 制御装置:電磁空気単位スイッチ式
- ブレーキ方式:EL14AS空気ブレーキ、手ブレーキ
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