帝国軍ストーム・トルーパー
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帝国軍ストーム・トルーパー(Imperial Stormtrooper)は、『スター・ウォーズ』シリーズに登場する、銀河帝国軍の正規兵である。画像
もともとは『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』で登場するジャンゴ・フェットのクローンであるクローン・トルーパーが前身であることが作中の流れで明らかにされており、使用する兵器や諸装備もクローン・トルーパーと酷似したものが多い。
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[編集] 概要
基本的に同シリーズの銀河共和国軍のクローン・トルーパーと同様の存在で、黒い温度調整ボディ・グローブの上に、18ピースの打撃や爆発による破片・ガスなどから身を守る簡易宇宙服をかねた装甲服を着用し、ブラスターライフルで武装している。この白い装甲服は軽量な樹脂(設定ではプラスチール製)でできており、簡単な環境維持装置や通信装置、更には視覚補正装置も搭載していると考えられている。
特徴的なヘルメットは、銀河帝国の市民を威圧する目的もあってのことだが、この装甲服は汎用ののほかに以下のようなバリエーションが旧三部作中に登場している。
- 偵察任務に特化して目の部分が広く四角い視覚補助装置となっているスカウト・トルーパー
- 雪上戦闘に特化し裾の広いスカート状の付属装備を持つ防寒や雪上の擬装性に特化したスノー・トルーパー
- 砂漠などの高温の環境に特化したサンド・トルーパー
なおエンドアのジャングルでも迷彩ではなく隠蔽性を無視した白の装甲服を装備している。これは威圧の意図もあっての模様であることが設定資料から伺われるほか、最低ツーマンセル(二人一組で行動すること)で偵察行動を行い、二人同時に殺害ないし捕獲されるでもなければ敵の発見を迅速化できるという人命(クローン命?)無視の帝国軍の軍事戦略であることも指摘されている。警邏や巡回でも、大抵のストーム・トルーパーは複数で行動している。
[編集] 仕事の内容
彼らは帝国の広範囲にわたる惑星を迅速かつ正確に攻撃し、暴動を鎮圧し、秩序を維持する。ストームトルーパーは決して買収されず、誘惑も、恐喝も効果がない。これはクローン・トルーパーと同様に、育成段階でプログラミング的に入力される「オーダー」と呼ばれる規範教育によるもののようだ。
帝国においてトルーパー達の生命は極めて軽い物とされ、下手をすれば高価で機能的なドロイドよりも低く扱われている様子すら見られ、帝国の主要な労働力ともなっている。彼らストームトルーパーの訓練は、新秩序の主義における完全な教化を強調されて行われ、各員は疑いを抱かず、他者の権利や自らの安全をも考えずに上官の命令に従うようになっている。彼らはその忠誠心と引き換えに個性を持たない兵士達である。トルーパーの装備は量産が可能なように標準化され、トルーパー自身も厳密な製造計画に拠って規格化されている。
このように不遇なトルーパーではあるが、彼等無くしては帝国の日常業務は成り立たない。なお、そのトルーパーを指揮する士官等はかつてのハン・ソロがそうであったように、帝国領内各地の惑星から士官学校に志願・受験し、合格して配属された人々である。この点は、部隊長クラスの指揮系統もクローンでまかなっていたクローン・トルーパーとは異なる。これらストーム・トルーパーとは別に、強化装甲を施されたドロイドによるダークトルーパーも存在するようである(PCゲーム「DarkForce」)。
[編集] クローン・トルーパーからストーム・トルーパーへの変化
どのようにクローン・トルーパーから変更されたかは不明だが、一説ではストーム・トルーパーは名前と装備が変わっただけで、中身はクローン・トルーパーと同じジャンゴ・フェットのクローンだとも言われているが詳細は不明。旧三部作のみの時代には、いわゆる「中の人」がどういう存在かは明確には語られていない。だが、エピソードIIIでは、ヘルメットの形状が徐々にストーム・トルーパーの物に近づいており、クローン・トルーパーと同一との説が濃厚である。
ちなみに、ごく一部を除くほとんどの兵士が左手で武器を携行している。撮影上の理由は撮影に使われた武器(プロップ)が構造的に左手で持ちやすいようにできているからであるが、これも設定上では「全員が同一人物のクローンであるため」ということになるのかもしれない。
なおこの明確に語られていないストーム・トルーパーの「中の人」に関してだが、日本で1990年代前半に行われたジョージ・ルーカス展のみで販売されたパンフレット『THE GEORRGE LUCAS EXHIBITION』内では、バイカー・スカウト(後のスカウト・トルーパー)デザイン段階のラフスケッチ(P.107)で、髭面男性でボバ・フェット(ジャンゴ・フェットの未調整クローン体)デザイン画の「中の人」ラフスケッチ(同P.68)に似た人物が描かれているのみである。