帰宅困難者
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帰宅困難者(きたくこんなんしゃ)とは、自宅から見て遠隔地(勤務先・学校・旅行など)において、 主に大規模な地震に遭遇した際に、公共交通機関が動いていないため、帰宅することが難しくなった人々のことを言う。おおむねその距離が20km以上の人たちを言う。
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[編集] 帰宅困難者となった時に
遠隔地などの滞在地で被災し帰宅が困難となってしまった場合、直ちに自宅等へ帰宅することは、薦められていない。特に大規模な都市の場合、移動者が数十万人の規模となり、この人数が避難経路上に集中することにより以下の問題が発生すると考えられている。
- 帰宅困難者の移動(一時的に移動者が集中すること)による問題
- 移動経路上の避難場所等では、これらの人々に対する支援(トイレ・給食・給水等)が事実上できない。例えば首都圏を構成する自治体である八都県市(八都県市首脳会議)では、コンビニエンスストア等フランチャイズチェーンと「災害時における帰宅困難者支援に関する協定」を結んではいるが、とても一時的に集中する数十万人に対して支援できるものではない。
- 緊急車両を通行させるために、まずは道路を安全な交通路の確保をする必要があるが、移動者がこの作業の妨げになる。緊急車両用の交通経路を確保できたとしても、帰宅するための経路確保と勘違いしてしまい、よってさらに移動者が集中し、緊急防災活動の妨げになる。平時であれば誘導する警察官等は、災害時であるため防災活動を行っている。よって数十万人の移動者を、適切に誘導することも事実上不可能である。
帰宅困難者となった場合には、地域住民とともに一時避難場所や広域避難場所へ移動することを、自治体では求めている。ここで交通機関が回復するまで待機することが適切と言われている。また大規模な災害の場合、ある程度の応急的な復旧が始まるまでの数日間、地域の避難所(収容避難場所)に滞在することも求めている。
なお避難場所や避難所では、帰宅困難者に対する安全な避難経路(帰宅経路)の情報を提供するシステムを構築している。
[編集] 帰宅困難時の家族との連絡
家族などとの連絡には、電話会社による災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板サービスを使った連絡が有効である。
[編集] 帰宅困難者心得10箇条
- つくっておこう帰宅地図
- 歩いて帰る訓練を
- 事前に家族で話しあい(連絡手段、集合場所)
- 携帯ラジオをポケットに
- ロッカー開けたらスニーカー(防災グッズ)
- 机の中にチョコやキャラメル(簡易食料)
- 季節に応じた冷暖準備(カッパ、携帯カイロ、タオルなど)
- 安否確認、災害伝言ダイヤルや遠くの親戚
- あわてず騒がず状況確認
- 声を掛け合い助け合おう
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 帰宅支援情報(八都県市防災危機管理対策委員会)