防災
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防災(ぼうさい)とは災害を未然に防ぐための各種行為、施策、取り組みをいう。災害の概念が広いので地震や風水害のような自然災害のみならず、火災、爆発のような人為災害、あるいは伝染病のようなものへの対応も含めて使われることがある。
防災に類似した言葉で危機管理という表現がしばしば用いられる。いずれも何らかの具体的な行為によってリスクを減らすことが目的であるが、危機管理は事後の対応も含んだやや広い実務的な概念として使われることが多い。
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[編集] 日本の防災
- 日本では、一義的に防災任務に当たるのは、市町村とされており(災害対策基本法)、都道府県や国は市町村をバックアップ・支援する機関として位置づけられている。
- 国レベルで防災に関与している省庁は内閣府を筆頭に警察庁、消防庁、国土交通省、国土地理院、気象庁、文部科学省、厚生労働省、防衛省など多岐にわたる。総理大臣の諮問機関として中央防災会議があり、ここでは大規模地震のための対応など国家レベルでの各種行動計画を策定している。
- 具体的にはダム、防波堤などの防災施設の設置(ハード対策)、住民への周知、避難対策(ソフト対策)等であり、公共事業などにより充実が図られている。
- 土砂災害に関する防災対策を例にとれば、1950年代には年間数千人前後を記録していた死者数も、防災対策が進んだ1970年代には年間500人前後に、さらに1990年代以降には年間数十人と確実に減少しており、効果が証明されている。
[編集] 海外の防災
- そもそも天災とは、人間がコントロールできない災害であり、未然に防ぐという発想すら持ち合わせていない国々がほとんどである。従って、日本のように巨額の防災対策関係費を計上する国は希有である。
- アメリカ合衆国を例にとれば、土砂災害(地すべりなど)による防災対策は、国ではなく土地所有者が行うべきものとされるなど、自己責任の原則が貫かれている。
- しかしながら2000年代に入ると、スマトラ島沖地震による津波災害、ハリケーン・カトリーナによる洪水災害など、規模の極めて大きく、かつ、事前の予知が可能とされた自然災害が頻発。徐々に、防災の重要性が認識され始めたところである。しかし、防災には費用が莫大にかかるため、国家の財政が危機的になる可能性もあり、それがきっかけで政情が不安定になるおそれもある。
[編集] 関連項目
- 防災とボランティアの日(1月17日)
- 国民安全の日(7月1日)
- 防災の日(9月1日)
- ハザードマップ
- 防災訓練
- 防災倉庫
- 民間防衛
- 減災
- 事前復興
- 地域力
- 合意形成
- リスクコミュニケーション
- 防災まちづくり
- マルチハザード
- 原子力事故
- 防災無線
- 市町村防災行政無線
- 消防水利
- 日本の消防
- 消防本部
- 消防吏員
- 消防団
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- 機能別消防団員
- 水防団
- 水防団員
- 原子力防災組織
- 自衛消防組織
- 自主防災組織
- 災害救助犬