常衡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
常衡(じょうこう、avoirdupois system)は、ヤード・ポンド法における質量の単位の系統の一つである。
通常使われるのは常衡であり、他の2つ(トロイ衡・薬衡)は特定の分野でしか用いられない。「常衡」という日本語の名称は、常用される質量単位(衡)という意味である。英語のavoirdupoisは、古フランス語のaveir de peis(英語で直訳すれば"goods of weight"の意)に由来するもので、量り売りされる物は常衡によって計量されていたことによる。
常衡の全ての単位はポンドを基準してその分量または倍量単位となっている。多くの英語圏の国では、1959年以降、1ポンドを(近似値ではなく)正確に0.453 592 37キログラムと定めている。
元々、フランスで使用されていたころの常衡の単位は以下のようになっていた。
- 16ドラム = 1オンス(oz)
- 16オンス = 1ポンド(lb)
- 25ポンド = 1クォーター(qtr)
- 4クォーター = 1ハンドレットウェイト(cwt)
- 20ハンドレットウェイト = 1トン(t)
イギリスでは、この系統に14ポンドに相当するストーンという単位が加えられた。そのため、クォーター、ハンドレットウェイト、トンがそれぞれ28ポンド、112ポンド、2240ポンドとなった。しかし、北アメリカのイギリスの植民地では、ストーンの入っていない本来の常衡が使われた。そのため、アメリカではクォーター、ハンドレットウェイト、トンが25ポンド、100ポンド、2000ポンドのままとなっている。アメリカの常衡は"short"、イギリスの常衡は"long"と呼ばれる。
ストーンが入った後のイギリスの常衡の単位は以下のようになる。
- 16ドラム = 1オンス(oz)
- 16オンス = 1ポンド(lb)
- 14ポンド = 1ストーン(st)
- 2ストーン = 1クォーター(qtr)
- 4クォーター = 1ハンドレットウェイト(cwt)
- 20ハンドレットウェイト = 1トン(t)